内容説明
どうやら、人類は滅亡するらしい。最後の撤収便に乗らず、北極圏の天文台にひとり残ることを選んだ孤独な老学者オーガスティンは、取り残された見知らぬ少女とふたりきりの奇妙な同居生活を始める。一方、帰還途中だった木星探査船の乗組員サリーは、地球との通信が途絶えて不安に駆られながらも、仲間たちと航行を続ける。終末を迎える惑星の片隅で、広漠たる宇宙の大海の中で、長い旅路の果てに彼らは何を失い、何を見つけるのか? 終わりゆく世界を生きる人々のSF感動作。ジョージ・クルーニー監督主演映画『ミッドナイト・スカイ』原作。/解説=勝山海百合
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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58
🌟🌟🌟🌟🌟。はい、傑作。五億点と。以上。2022/11/10
Willie the Wildcat
53
孤高を望み、孤独に追い詰めらたとき、初めて「孤」の本質、そして心底に宿る「愛」に向き合う。実像と幻影の交錯、これらが1つになったときに齎される罪と罰、そして救いを見出す。結果、たどり着く「生」。『改過自新』を体現する両者の対極性も、とても示唆に富む。故の〆。本著の各種設定に少なからず惑わされたが、読み進めていくうちにその謎も解消。読後、好きなフレーズの1つが浮かぶ。It is never too late to become what you might have been. 2024/12/08
ひさか
34
2016年8月刊行のGoodMorning,Midnightを訳して、2018年1月創元海外SF叢書刊。2022年8月創元SF文庫化。人類がいなくなった地球に残るオーガスティンと幼い少女アイリスと帰還してくる木星探査船メンバーとのストーリー。いったい何があってこの状況になったのかの説明はなく、地球にいる二人と探査船メンバーだけの出来事が綴られる。淡々とした語りと出来事は退屈だけど少し抒情的。映画化もされているそうで、どういうイメージになったのかが気にかかる。2022/10/30
ちろ
23
北極圏の天文台に残された地球上の最後の2人と、木星探索を終えて帰還途中の船員たち。孤独になると楽しかった記憶と共に後悔や人生のたられば‥多くの感情を思い返していく。私も残された人生がわすがになればこんな思いに浸るかも。愛する人はいつまでも自分の側にいるわけじゃないから大切に。2022/12/12
ふりや
22
人類が破滅に向かう中、北極の天文台に独り残った年老いた科学者。そんな地球の事情を知らずに木星探査から帰還しようとする宇宙飛行士たち。ふたつのエピソードが交互に語られ、やがて交錯していきます。SF成分はそれほど濃くなく、登場人物たちの内面を丁寧に描いた人間ドラマがメインです。過去の後悔や未来への希望、人生が終わりに近づく中で芽生える諦観など、少し物悲しげな雰囲気が全編を覆っています。また、北極の季節の移り変わりや野生動物を描いた情景描写がとても美しく、科学者の孤独をより一層引き立てているように感じます。2022/08/24
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