創元推理文庫<br> あの本は読まれているか

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創元推理文庫
あの本は読まれているか

  • 著者名:ラーラ・プレスコット【著】/吉澤康子【訳】
  • 価格 ¥1,300(本体¥1,182)
  • 東京創元社(2022/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488270070

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内容説明

冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われる。だが実際はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けて、ある特殊作戦に抜擢された。その作戦の目的とは、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な極秘任務に挑む女性たちを描く傑作長編!/解説=大矢博子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chiseiok

46
いやきつかった(^_^;)。デビュー作にして版権200万ドルのスパイ小説かつ恋愛小説とのこと、どんだけ凄いの?と胸躍らせて読み始めましたが、自分の期待とは違ったベクトルのお話し、も〜進まない…。活劇好きの自分ですがスタインハウアーやダニエル・シルヴァなんぞも好物なので、その辺の読み味を期待したのですが、ちょっと別物でした。基本的にはまごうかたなき恋愛小説で、そこにスパイスとしてエスピオナージ要素をまぶした仕上がり。なので、合う人にはどんぴしゃ傑作だと思うけれど、自分的には「あ、間違えちゃった…。」て感じ。2023/03/03

Shun

34
冷戦下のアメリカでCIAが実際に行った「ドクトル・ジバゴ作戦」をベースとした長編小説。その作戦の骨子は文学の力で言論統制されたソ連国民の心に灯をともし、体制を変え得る力を見出すというもの。ロシアの作家パステルナークが書いたその小説は、恋愛や自由といった西側諸国の思想に染まりソ連の民には相応しくないという理由で禁書とされた。この小説に一縷の望みを見出した米国は、スパイ作戦の要領で西側で書籍化したこの本を国民たちの手に密かに配布していく。東西緊張の中、銃を置き文学を武器に戦った人々の想いが世の中を変えた。2022/11/09

ブラックジャケット

11
外交文書が公開されていく中で、CIAの対ソ戦略の一環が明らかになった。そこに想を得たスパイ小説が本作。新人ながら大きな構想でオールド層まで引き込む。パステルナークの「ドクトル・ジバゴ」は未読だが、ソ連が発禁にした小説が、ノーベル文学賞を受賞してしまったことは知っていた。ロシア移民の娘イリーナはCIAのタイピストとして雇われる。実態は運び屋を務めるスパイ活動もさせられる。ソ連側はパステルナークと愛人のオルガ視点で書き進められる。オルガは矯正収容所へ送られるが、秘密を守り抜く。当時の冷戦の厳しさが伝わる。 2023/01/26

しょうゆ

7
ラーラさんという作者の名前はジバコからつけられたそうで、作者が自分の名前から歴史を紐解く作品で、実際にこんな作戦がとられたのかと知り驚いた。一方で最近の読書界隈で評価される作品ってどれもLGBT、女の権利がテーマが多くてトレンドなのかもしれないが、ちょっとそういう作品が続きすぎて食傷気味な自分も。大事なテーマなのはわかる。それでも、タイピストたちの章と、オルガの収容所の生活と不倫の子供たちの葛藤がなかなか心にきた。2023/06/22

てっちゃん

6
「ドクトル・ジバコ」がCIAの手によってソ連に逆輸入されたという事実を初めて知った。冷戦下の女性の生き様が丁寧に描かれ、実に読み応えのある作品になっている。2022/09/04

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