ハヤカワ・ミステリ<br> 七番目の仮説

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ハヤカワ・ミステリ
七番目の仮説

  • ISBN:9784150018153

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内容説明

ペストだ! その一言に、下宿屋の老夫婦は戦慄した。病に苦しむ下宿人の青年を囲んでいるのは、中世風の異様な衣裳に身を包んだ三人の医師。担架で患者を搬出すべく一行が狭い廊下に入ったとたん、肝心の患者が煙のように担架の上から消え失せた! 数刻後、巡回中の巡査が、またしても異様な姿の人物に遭遇する。言われるままに、路地に置かれたゴミ缶の蓋を取ると、そこにはなんと……だが奇怪きわまる一夜の事件も、実はさらなる怪事件の序章に過ぎなかったのだ。それはさすがのツイスト博士も苦汁を舐めさせられる難事件中の難事件だった

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

66
面白いミステリの条件として、冒頭に奇妙な謎を提示できるかというのもあると思う。本書はロンドンに現れたペスト医師、突然現れた死体と魅力的な掴みはばっちり。さらには二人の男の奇妙な決闘がそれに絡みと、謎自体はとても素敵なものがある。さらには探偵役を除き主な登場人物は三人、その三人の証言が一致する部分もあれば矛盾する部分もありと、読者も探偵同様論理に惑わされるなあ。噓つきは誰でどの部分なのか。さらにはそれを元に六つの仮説が明らかにされ、それから外れた七番目の仮説が真相なのも何とも言えない。論理に酔わされました。2023/03/16

紅はこべ

31
アルテは素材の扱いが上手。つかみが抜群。カーの生まれ変わりみたい。カーのユーモアに欠けるのが惜しいけど。人間の邪悪性に関心があるようだ。それとやけに切り裂きジャックが好き。2010/01/09

koma-inu

26
2点 ツイスト博士シリーズ。人間消失というカーを意識した事件で始まります。消失トリック自体はガックリの内容でした。六つの共犯仮説を出した後の、真相となる七番目の真相はお見事。確かにこの仮説も出すべきだなぁ••と思いましたが、うまく六つの仮説に隠されていました。犯人のあるクセを見抜いて真相を見出したのも上手いです。惜しいのは、文章が地味で盛り上がりに欠けること、でしょうか。2021/07/10

ホームズ

10
からのごみ箱から現れた遺体、怪しげなペストの医者、廊下から消えた担架に乗せられたいたペスト患者。提示された謎は凄く良かった(笑)そのほか決闘騒ぎに強盗射殺、救急車の交通事故とか時間が多すぎ(笑)最終的にはみんな繋がって事件の全貌が明らかになる感じは良かったですね(笑)そして最終的なオチも中々良かったと思います(笑)2010/11/03

カーゾン

9
L:人間消失と死体発見の魅力的な冒頭からスタートし、ラストの犯人とツイスト博士との心理戦争、途中におこる別の殺人と題材を盛り込みすぎ、そして(今回も)冒頭の謎に比べその解明がしょぼいと、アルテさんらいしけどかなり楽しめたのでよしとします。ただ、ミラー卿の奥方だけは気の毒でならない。 ツイスト博士ものもオーウェン・バーンズものも未読が残っているので、また読もうっと。2023/06/05

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