ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 喪失の冬を刻む

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ハヤカワ・ミステリ文庫
喪失の冬を刻む

  • ISBN:9784151851018

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内容説明

ミステリ文学賞五冠の傑作ハードボイルド 先住民族の居留地で起こった麻薬密売事件に巻き込まれた甥を救うため、白人と先住民の血を引く“おれ”は巨悪に立ち向かうが――

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

61
スー族の酋長が記した記録~ウインターカウント。作中でヒーロー ヴァージルがWinter countと呟く。標題の冬を刻む意へ繋がって行くそれは何だろう。殆ど無知の米、先住民族の社会・日常・思想風景。作品自体はノワール色が強いバイオレンスだが個人的に社会学的背景に興味をそそられた。筆者曰く、フィクションだがヴァージルの立ち位置である処罰屋は存在するのだそうな。部族としては大きいラコダ族の居留地 ローズバッド。14歳の甥ネイサンが薬絡みで告発される。かつてヴァージルを虐めたリックと対決して行く事に。恋人マリー2022/08/23

ワッピー

36
読み友さんの感想から。ラコタの居留地で復讐代行業を営むヴァージルに元カノの父・部族評議会の議員ベンから居留地でのドラッグ取引を阻止せよと依頼が入る。迷いつつも調査を開始したヴァージルに協力を申し出る元カノ・マリー。しかし調査から戻ってきたとき、甥のネイサンはドラッグの取引容疑で逮捕されていた・・・。居留地の改革を願うマリーは解雇され、ネイサンはおとり捜査への協力を強いられ、ヴァージルは苦悩に沈む。腕っ節も頭脳すらもスペンサーに及ばないながらタフの道を選ぶ主人公に最初はイラつき、最後には応援したくなる、⇒2022/11/12

しゃお

35
居住区にてFBIにも部族警察からも見捨てられる事案に取り組む、「ラコタ族」の流れをくむ処罰屋のヴァージルが、ヘロインなど薬物に関する問題について否応なく巻き込まれていく様子が、先住民の思想や文化、そして今なお続く差別と共に描かれるハードボイルド。割と淡々と進むものの、その筆致もあって地味ながら読ませます。後半は甥の危機を助けようとする展開もあって緊迫感もありながら、やはり暴力による解決が目立つのが現実を表しているのでしょうか。その中で自身のルーツと向き合い変わっていこうとする様子に希望。ラストもきっと…。2022/08/10

himehikage

23
アメリカ合衆国のネイティブの居住区には司法アクセスがないという事実がショッキングだった。いきなりFBIに訴えるしかないなんてね。それでこの小説の主人公は、ろくな商売じゃないと思いながらも自警団というか処罰屋として生計を立てることができている。ウィットがあまりなくて終始重苦しい空気が漂うが、読んでよかったと思う。締めがいい。晴れやかだけど、何も変わらない閉塞感もあって余韻がある2022/09/22

しましまこ

22
亡き妹の息子と二人暮らしの処罰屋、いいじゃん!って読み始めたが…あまりにもバレバレの罠、ちょっとは頭使えよ、疑えよー!とイライラ。疲れました。2022/08/04

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