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内容説明
「あなたたちは国連を終わりにするのか。いいえと言うならただちに行動すべきだ」。2022年4月5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連安全保障理事会でのオンライン演説で訴えた。安全保障理事会で拒否権を持つ五つの常任理事国の一国であるロシアによるウクライナ侵攻は、安保理の機能を停止させ、国際秩序の根幹を揺るがしている。たった五つの国にだけ拒否権という特権を認める歪な仕組みはなぜ生まれ、温存されてきたのか。その誕生からウクライナ侵攻を巡る攻防まで、国連安全保障理事会の真実を描く。
目次
第一章 壊された国連
1 安保理緊急会合
拒否権発動
二〇二二年二月二一日~の動き
揺らぐ国際秩序
茶番と化した安保理
安保理はプロパガンダを広げる場
拒否権制限の議論
平和のための結集会議
国連総会における三回の決議
減り続ける賛成票
本書の視点
2 経済制裁の限界
制裁外交の開始
アメリカによる金融制裁発表
国際決済網SWIFTからの排除
デフォルトに至らず
エネルギー依存の罠
EU各国とロシアの関係
制裁に加わらない中国
インドの複雑な立場
割れるG20
3 人道犯罪の発覚
ブチャで見つかった三〇〇人の遺体
ICCによる戦争犯罪捜査
戦争犯罪はどのように裁かれるか
プーチンを裁けるか
化学兵器使用の確認は困難
4 停戦の条件は何か
戦争の長期化をにらむ
プーチンは停戦に応じるか
反古になった「ブダペスト覚書」
国連が果たす役割
第二章 戦後の世界秩序とは何か
1 国連の成り立ち
ニューヨークにある国連本部
米英主導の創設
安保理のもとになった「四人の警察官」構想
本部設置を巡る対立
2 安全保障理事会の正体
国連による集団安全保障
安保理の持つ権限
P5が拒否権を持つ理由
国連憲章の謎
消せない旧敵国条項
3 東西冷戦下の安保理
米ソ拒否権の応酬へ
PKOの真実
停滞する安保理
冷戦後に活発化
欧州でのにらみ合い
NATOの東方拡大
プーチンが抱く恐怖心
第三章 中国の台頭と対テロ戦争の時代
1 中国の台頭
自由貿易を目指して
GATTからWTOへ
WTO加盟で経済成長を遂げた中国
世界最大の発展途上国
2 一時の中ロ─英米仏協調
北朝鮮核問題への協調対応
中国が折れず議長声明に
はしごを外された日本
対テロ戦争と国連
武力行使の正当化
「国連とは安保理で、安保理とは米国だ」
3 「新冷戦」時代へ
自信つけた中ロ
クリミア併合とシリア内戦
コロナで見えた中国の影響力
WHO事務局長選挙の行方を決めたG77
国連総会で増す中国の「数の力」
第四章 核兵器と五大国
1 ロシアは核兵器を使うのか
プーチンは核のボタンを押すか?
欧州の核バランスは一触即発
戦術核で優位に立つロシア
ロシアが原発を狙う理由
原発攻撃の危険性
「汚い爆弾」への懸念
2 P5の核の力
IAEAとはなにか
NPTの欺瞞
進まない核軍縮
P5体制の弱点
なぜイランは核を持てないのか
3 核兵器禁止条約の誕生
被爆者の声をベースに
核兵器禁止条約の理念
P5に見切りをつけた小国たち
条約制定交渉に参加しなかった日本
ウクライナ侵攻が核政策にもたらす影響
第五章 これからの国連
1 国際連盟の教訓
アメリカの不参加
効力のない制裁、相次ぐ脱退
ゼレンスキー大統領の訴え
2 失敗続けた安保理改革
常任理事国入りをめぐる争い
G4対コーヒークラブ対P5
動きだした岸田首相
ロシアの資格 奪はあるのか
3 希望
国連は死んでいない
S5(スモールファイブ)の挑戦
P5の一国による提言
人権理事会への信頼
国連再生の道はあるか
第六章 中国は台湾に侵攻するのか
1 「台湾有事は五年以内」の予測も
日本の安全保障が受ける影響
ウクライナ侵攻はテストケース
習近平の悲願
米司令官の予想
アメリカは介入するか
強まる米台の結びつき
2 安保理は動けるか
台湾は国連加盟国ではない
介入の可能性
存在感薄れる台湾
3 巻き込まれる日本
日米安全保障条約に基づく対応
米国は尖閣を守ってくれるのか
中国が台頭する時代の集団安全保障
あとがき
主要参考文献
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