講談社現代新書<br> 昭和の参謀

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講談社現代新書
昭和の参謀

  • 著者名:前田啓介【著】
  • 価格 ¥1,375(本体¥1,250)
  • 講談社(2022/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065282236

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内容説明

石原莞爾、辻政信、瀬島龍三……「日本の頭脳」たちの栄光と蹉跌に迫る!

「七人の参謀を通して、昭和陸軍の功罪を問う。多角的な取材で、人間像を探り、戦時下、戦後の生き方を次世代の目で活写する。歴史の黒子である参謀のありうべき姿とはどのようなものか。本書はその一方向を示す。歴史の評価に耐えられる参謀とは誰か!」――保阪正康氏

「かつて光を浴びた陸軍参謀たち。彼らは敗戦後の暗転した状況にどう向き合ったのか。戦後史の見過ごされてきた一面が、豊富な資料と地道な取材によって掘り起こされる。批判を込めながら理解しようとする取材対象との微妙な距離感がいい」――戸部良一氏

陸軍大学校を優秀な成績で卒業し、右肩から参謀懸章をさげ、軍の中枢で、戦略、謀略、戦術を駆使し、作戦を立案してきたエリートたち。国家が総力を挙げて養成した俊英たちには、時に独断専行、大言壮語の形容詞がつきまとった。はたして彼らは、どのような人生を歩んだのか。遺族、関係者の証言をもとに、軍服を脱いだ後の生き様にも迫り、日本社会にとって、参謀とは何だったのかを考える。

●エリートを養成した陸軍大学校の教育とは?
●参謀という仕事の中身
●参謀本部の特権意識
●石原莞爾が満洲事変で火をつけた「下克上」
●作戦指導の中枢・服部卓四郎たちの再軍備計画
●「作戦の神様」辻政信の孤立
●瀬島龍三がシベリア抑留で得た人生観
●統制派の経済参謀・池田純久の「国づくり」
●「台湾沖航空戦」の内実を見抜いた情報参謀・堀栄三
●八原博通の合理主義が情緒的な精神主義に敗れた沖縄戦
●戦後社会はなぜ参謀を受け入れたか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

117
石原莞爾/服部卓四郎/辻政信/瀬島龍三/池田純久/堀栄三/八原博通の7名の参謀の、主に戦後の生き様を描いている。国会議員、経営者、政府顧問、村長など見事な活躍ぶりである。参謀は陸大の最優秀者だから、戦後日本での活躍も当然かもしれない。でも、頭脳明晰な彼らの発言は、戦時中の出来事を他人事のように客観的・合理的に分析するばかりで、それに関わったことへの自責の念や反省が完全に欠落している。人に司令官タイプと参謀タイプがあるとすれば、参謀とはそういう人種なのか。著者はそれを肯定的に描くが、私には納得できない…。2022/12/02

skunk_c

69
ちょっと評価の難しい本。新書としては分厚いが、7人の評伝を押し込もうとするとどうしてもひとりあたりの内容に限りが出る(例えば石原莞爾の二・二六事件時の対応はない)。本書ではどちらかというと戦争後の生き方に重点が置かれている印象で、もちろん戦争中の作戦の話などが出づらいせいもあろうが、表題で期待した内容とは異なっていた。参謀は陸大出身のエリートであり、瀬島隆三のようにその能力により戦後も成功するものが出るのは当然な面がある。その点最後に取り上げた八原博通のような例があるのは著者の問題意識の表れとも言えるが。2022/11/06

kawa

32
太平洋戦争の中で活躍した参謀7名の主として戦後の活躍を追う。経済参謀の経験を活かしてエチオピア皇帝の顧問となった池田純久氏、沖縄戦の戦略を立案、その言動によって「汚名」を着せられたという八原博通氏の平凡な戦後が興味深い。2022/08/15

紙狸

22
2022年7月刊行。筆者は1981年生まれの全国紙記者。日本陸軍の7人の参謀をとりあげ、戦前、戦中、戦後の軌跡を辿る。個人的には、沖縄戦で現地、第32軍の高級参謀を務めた八原博通に関心があり、読んだ。映画「沖縄決戦」では仲代達矢が演じていた。八原は戦後、故郷米子で妻と反物の行商をして生計を立てた。読売新聞の連載「天皇の世紀」の取材には応じ、同社から回想録を出した。ひっそりと暮らし、証言は残す。これも一つの生き方か、との思いがする。戦後の経済界、政界に入った他の元参謀達とは対照的だ。2022/12/21

モーモー

15
軍人としての石原莞爾、戦後伊藤忠商事会長になた瀬島龍三等有名人を含めた昭和時代の参謀の面々。一人では変えられないのは確かだが、敗戦へ続く道の中でもがき苦しんだ面子である2023/07/13

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