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内容説明
おおきなスギノキ山のクマザサのなかに、かあさんギツネとむすめのキツネがすんでいました。むすめのキツネは、あきになると、むこうの山へおよめにいきます。――美しい文としみじみやさしい絵でおくる珠玉の一冊。嫁ぐ日が近いむすめの体を、母ギツネはヤマツバキの実でせっせとみがいていました。谷川のむこうの染め物屋さんが、河原の石の上にひろげたあざやかな布をみて、「あのぬので花よめいしょうをつくったら、きっとお山一のおよめさんになるだろうな」と母ギツネはいつも河原の布をながめていました。ひとかげがなくなったとき、母は布をくわえて走りましたがすぐに見つかり、命からがら草むらに逃げ込みました。美しい布があきらめきれない母ギツネでしたが、かみなりのあとのあめつぶで七色にかがやくむすめのからだをみて、娘がどんな布よりもきれいなことに気がついたのです。娘を思う母ギツネの愛情が、せつないほど伝わってくるお話です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
7
もうじき嫁にいく娘のキツネに美しい衣装をと願う母キツネ。止むに止まれぬ気持ちでしてはいけないことに手を染めかけたりした矢先、本当の娘の美しさを引き出す、偶然の機会が訪れる。母キツネの気づきがお話をきりっと引き締めています。2016/07/06
いっちゃん
4
そうよね、若い娘は着飾らなくてもきれい。2014/07/24
とわセブン
1
ドキドキ、ハラハラするお話です。人を思いやる気持ちが大切。って思う作品です。2011/05/11
ヒラP@ehon.gohon
0
お嫁に行く娘キツネに母親はきれいな着物を着せてあげたいと思いました。 それは失敗に終わるのですが、お母さんは娘のあるがままの美しさにいまさらながらに気付いたのでした。 わが子を思う母親の心が、情緒たっぷりな絵の中でとてもすがすがしく描かれています。 2010/10/27