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内容説明
エジソンが興した世界最大の総合電機メーカーとして1世紀以上の栄華を誇ったゼネラル・エレクトリック。ピーク時から企業価値は数分の一に激減。カリスマ経営者たちはどこで間違ったのか? ウォール・ストリート・ジャーナルのGE担当ジャーナリストが謎に迫った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
124
恥を承知で白状すれば、私はイメルト氏の信奉者だった。金融に過度に依存したGEを、デジタル時代に即した工業系事業へ原点回帰させるという氏のビジョンに心酔していた。Predixの設計思想に深く感動したし、GEキャピタルを売却してアルストムを買収する経営判断も凄いと思った。だから、本書でイメルト時代のGEの実態を知り衝撃を禁じ得ないが、臨場感のある描写には強い納得感がある。尤も、イメルト氏贔屓の私には、無理な経営目標を不適切な会計操作で捻出した利益で補うという手法は、ウェルチ氏の負の遺産としか思えないのだが…。2023/01/08
Willie the Wildcat
71
GEがダウ工業株30種平均から外れた当時、時代の象徴という理解だったが、「必然」がより適切な表現だと再認識。ウェルチ氏の拡大路線が、結果を残したのは事実。一方、違法ではないが、Compliance抵触の可能性があったのも事実。直近3代CEOのリセットの胆力とComm.能力の特徴が、二次元・三次元方程式となり、”経過”が市場評価に反映。その3人が集結したウェルチ氏の葬儀。三者三様の心情が交錯するのが頭に浮かぶ。カルプ氏を敢えて登用したフラナリー氏。辞任への無念の思いは当然も、氏の覚悟と想定範囲と推察。2022/10/01
Sam
52
かつて米国を代表する超優良企業であったゼネラル・エレクトリック(GE)。本書はその絶頂からやがて衰亡していく過程を、ウェルチ、イメルト、フラナリーといった歴代のCEOを軸に描く。自分にとっては天上人に思えたウェルチやイメルトがどんな人物だったのか、どんな葛藤や危機を経験しそれをどうやって克服し、またはしきれなかったのかを丁寧に、かつビビッドに描いている。どんなに栄華を誇った会社も永遠に続くことはないという(ある意味)当たり前の教訓。さてGAFAは?ちょっと冗長に感じるところもあるがなかなかの良書と思う。2022/08/11
Kiyoshi Utsugi
45
原題は「LIGHTS OUT:Pride, Delusion, and the Fall of General Electric」で、2020年に米国で出版されたものの日本語訳。正確にはペーパーバック版の日本語訳。 "Lights Out"って、消灯という意味らしいのですが、まさに電球から始まったGEを皮肉ったようなタイトルですね。 ジャック・ウェルチ、その後のジェフ・イメルトの時代は良かったと思ってたのに、実は必ずしもそうではなかったんですね。巨大企業が陥る罠にはまっていたのか…2023/05/11
はるわか
17
これまで報告されてきた利益は、ただちに不正とまでは言えないものの、ありったけの願望を注入したものだった。この混乱を世間の目から隠してきた会計上の工夫は、もはや持ち堪えられなくなりはじめていた。米国を象徴する企業でキャリアを積むこと30年、頂点に立ってみたら、その会社全体が奈落の底に突き落とされようとしていた。次期CEOの思いは会議室の全員にはっきり伝わった。「きみは知っていたのか?」2022/10/15