境目の戦国時代 - 上杉・武田・北条のはざまを生き抜いた人びと

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境目の戦国時代 - 上杉・武田・北条のはざまを生き抜いた人びと

  • 著者名:大貫茂紀
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 小さ子社(2022/07発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909782151

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内容説明

戦国時代、大名の「領土」は、一本の線でくっきりと線引きされ、地図上に色分けして示されるようなものではなく、支配地域の周縁部には帰属があいまいな領域=「境目(さかいめ)」が広がっていた。

そこは人やモノや情報が行き交い、市が開かれる開放的な場であった。境目の領主や住人は、あらゆる情報を手に入れ、分析し、有利な方に味方しながら、戦国の世を生き延びてきた。大名もまた、境目の領主や住人を如何に味方として引き入れるかに腐心してきた。

従来の戦国史研究では、境目が一定の空間的広がりをもつことは忘れられがちであり、一部の様相がつまみ食い的に論じられてきた。本書は、境目そのものにあえて注目し、その内部の具体的な様相をみていくことで、戦国社会の別の一面を描き出す。

目次

プロローグ ―境目とは何か―
1 前近代の境界
2 中世日本の境界―外浜と鬼界島
3 戦国大名の分国意識と境目
4 本書のねらい
5 本書の構成
本書の舞台全体図/ 東上野地域図/ 沼田・上田荘地域図/ 千国道筋地域図
年表

第I部 境目の社会と民衆

第一章 境目とはどのような場か
1 開かれた境目
2 境目の住人たち
3 境目の領主たち
4 関所の役割

第二章 戦乱のなかを生き抜く
1 流動する戦乱時の境目
2 境目の人質慣行
3 大名による境目への負担軽減策
4 境目の城と街道整備

第II部 戦国大名のはざまで生き抜いた領主たち

第一章 国境の管轄者
1 上杉軍の「越山」
2 上田荘の人びと

第二章 「根利通」をめぐる領主たちの攻防
1 上杉謙信期の小川可遊斎
2 根利関所
3 越相同盟と「根利通」

第三章 小川可遊斎の活躍
1 北条氏政期の可遊斎
2 真田昌幸による可遊斎の調略
3 武田勝頼期の可遊斎

第四章 境目の消滅
1 阿久沢氏と北条氏
2 越後における可遊斎の活動
3 上杉氏会津転封後の栗林氏
4 武田氏滅亡後の安曇郡

エピローグ
1 境目の戦国社会と民衆
2 境目領主と戦国大名
3 戦国時代の終わりと境目のその後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

21
一国を制する大名が生まれず、上杉・武田・北条の係争地となった上野を例に、戦国時代の「境目」を紹介する。境目とは、敵対する勢力同士が複雑に混じり合う緩衝地帯であり、閉じられた国境線ではなく、開かれた空間として捉える視点が面白い。軍事的な緊張があるとはいえ、異なる勢力とのビジネスチャンスがあったり、領民が特別に保護される存在であったりと多様な面を見せる。またそうした境目に盤踞する領主たちも、敵対する両勢力にパイプを持つことで、大勢力に強気の交渉を仕掛ける強かな連中ばかり。境目という曖昧な「空間」がここにある。2022/11/05

takao

0
ふむ2025/06/15

JF1RLN

0
室町後期の上州~北信越方面中心のお話。境目は明確に線引きされてたわけではないよ、という本。曖昧なエリア。利によってどちらにもつくけど、当然どちらからも信頼はされていない。「地下人達だけに在城命じても逃げるから」と言われてしまうあたりにその一端が見える。が、戦国大名達は彼らをうまく使わないといけないというジレンマ。境目はあいまいなエリア故に利権も生じるということでなかなか面白い。最終的には消滅してしまう、という経緯が記されているて丁寧な記述が面白い。2023/03/10

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