内容説明
神道無念流の剣客にして、新選組二番隊長として名を馳せた永倉新八──。
世は明治となり、青年剣士の面影が消えた新八は京都駅のホームに降り立つ。激動の日々を過ごした地を再訪したのだった。
かつての妻・小常が生んだ娘・磯の行方を知りたかったのがその理由である。
愛する小常は産後に先立ち、斬り合いに明け暮れる自分に幼子は育てられなかった。新八は乳母に磯を預け、各地を転戦して行く。
あれから二十余年……。老境に入り、娘に会いたいという想いを募らせていた新八は、念願の親子再会を果たすことができるのか!?
命を賭して剣をふるった若き日を回想しながら、同志たちの愛と運命をも描いた知られざる感動の新選組外伝──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
36
娘に会いたい。幕末の京都、混乱の中で愛する妻・小常との間に生まれた娘の磯を残し、死を覚悟して血戦に身を投じた新選組2番隊長・永倉新八は…生き残った。あの激戦から二十余年、時代は明治へと移りすっかり世の中は変わった。そんな時代の変化を受け入れつつも、生き別れた娘を忘れることができず、新八は新選組として命を賭けた京で磯の行方を捜しはじめる。回想するあの日。そして夫として、父としての愛情。新たな新八の顔を見ることができる。同時に堂島米市場や、ロシア皇太子が斬りつけられた大津事件も描かれ、時代背景と共に楽しめる。2025/07/28
10$の恋
35
表紙絵とタイトルから少々艶っぽい話かと思いきや、なんのなんのどっしりした内容に嬉しい驚き。幕末の戦乱を生き抜いた『永倉新八』のその後_。明治になり、彼は北海道の刑務官に剣術指南で滞在した後、江戸に居を移した。心残りがある。それは京都に残した愛娘。生後4ヶ月の時以来会っていない。(生きているのか…)、20年を経た明治24年、娘捜しのため京都に。隊士の頃、油小路で対峙した親友藤堂平助の事情、島田魁との再会、時勢…、新八にはまだまだ数奇な運命が纏わりつく。なんと、吉村貫一郎の名も。特に新選組ファンには薦めたい。2023/06/02
へいすけ
4
新選組の中でも藤堂平助についで好きな隊士永倉新八が主人公。戊辰戦争後、ひっそり生きていたさ新八が京に残った娘を探す。冒頭藤堂平助との交流が切ない…私の好きな品の良い美剣士藤堂平助でイメージ通りなだけに油小路が余計に辛かった。 冒頭だけでも私には読む価値がある本でした2023/06/25
ゆぅ
4
明治の世の物語。永倉さんが愛児を探す物語。前半なかなかページが進まなくて諦めそうになりましたが、後半一気に読めました。剣術振るう永倉さん、活き活きしてる。2022/07/09
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