内容説明
“実在とは? 観測とは?
現代技術を拓いた量子力学は根源的な難問をわれわれに突きつけた.
コペンハーゲン解釈,多世界解釈からジラルディ-リミニ-ウェーバー理論まで,「量子力学の解釈問題」のすべて.”
――全 卓樹:理論物理学者,随筆家
確率過程解釈,アンサンブル解釈,多世界解釈,無矛盾歴史アプローチ,GRW理論,様相解釈,コペンハーゲン解釈,量子ベイズ主義,etc.
量子力学のパラドクスを解消するために,多くの物理学者・数学者・科学哲学者たちにより種々の解釈が提案されてきたが,あなたはそれらをどこまで理解しているだろうか.
本書は有名なものからマイナーなものまで種々の解釈を網羅的にとりあげている.
哲学的・数学的な話には深入りせず,諸解釈の特徴を概観しながら,それぞれが量子力学のパラドクスに対してどのようにアプローチしているのかを解説する.
目次
プロローグ
第1章 量子力学のパラドクス
第2章 実在主義的な解釈
第3章 観測の理論
第4章 経験主義的な解釈
エピローグ
付録A NOGO定理
付録B 全体論的なアンサンブル解釈
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mft
3
いろいろな量子力学の解釈を分類して提示してくれるありがたい本。パイロット波とか多世界解釈とかは聞いたことがあったが、無矛盾歴史アプローチとか交流解釈とか聞いたことがないものもいくつもあった。実在主義系は古典力学的な「実在」に未練がありすぎるように個人的には感じるので、著者の推すアンサンブル解釈も乗る気になれない2022/08/21
Akiro OUED
3
全体論的なアンサンブル解釈に一票。時空の不気味な遠隔作用も認めるし、因果という観念も放棄する。モノが実在することの代償は大きい。結局、量子力学を解釈するためのコトバが未完成なんだな。歌人に二重スリット実験を見せて、詩に詠ませるといいコトバが見つかるかもね。量子論は文学だ。2022/07/27
Sunekosuring
0
スゴ本の人に釣られて読んだけど、いや数学に圧倒されてまったく読めてないけど、量子力学で何がみな解決できずに困っているのか、という整理とそれに超人的に頭が良い人がたばになってあれこれ考えても正解が分からんということが分かったので、僕も分からんで当然なのだな。2023/01/10
吉田恭
0
自分は今のところ、統計力学のアンサンブルモデルは計算の便法だが量子力学の波動関数(純粋状態)には何らかの実体があると思いたい派。2022/11/11
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