内容説明
彗星、憲法発布、園遊会、観覧車、辻占売り、アイスクリーム、烟草の広告、鐘の音、コックリさん、ゴム風船等々、百五十余に及ぶさまざまな事物、風俗、主題によって明治を語った随筆集。博覧強記にして滋味横溢。事物起原の考証から懐かしい日常風景まで、多種多様な話題をめぐって、漱石、鏡花、子規、緑雨らの文章を縦横に引き、また文化人、政治家、ジャーナリスト等の興味深い逸話を数多く収めた。
(※本書は1986/1/16に発売し、2022/7/12に電子化をいたしました)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
6
幻燈、官製烟草、氷菓子、汁粉などの明治の風物について、著者が自分の見聞や幅広い読書体験からゆったりと語った随想。伊藤博文や高橋是清ら明治の政治家が出て来たり子規や紅葉、鏡花といった文人が出て来たり、逸話も色々ちりばめられている。面白いし文章のリズムも読んでいて気持ちがいいし、基本的には良書だと思うんだけどところどころ当方にはレベルが高すぎてついていけなかったり(苦笑)気合いを入れて理解する本ではないし折々にめくる付き合いがいいのかな。明治大正の風俗にどれだけ親しんでいるかで随分感じ方が変わる本だろう。2017/10/05
Masahiko Ito
2
幻燈、彗星、ミルクホール、菊人形。明治研究家の著者が様々な時物に事寄せたエッセイ。縦横無尽の引用も漱石や鴎外、四迷、露伴、鏡花あたりはともかく饗庭篁村や陸羯南あたりは誰?という感じ(あえばこうそん、くがかつなん、と読みます)。1テーマが2ページ程度なんで、家人が寝た夜に酒を呑みながらちびちびと読み進めるには、最適。行間から明治が立ち上ってくる。2014/04/27
amanon
2
「近くて遠い時代」。これが明治という時代に対する第一印象である。その印象を裏付けするかのように、この書は明治という時代に対して、違和感と親近感を同時に与えてくれる。その違和感はさておき、この書の魅力は言うまでもなく(?)、後者のほうにある。この書への評として著者といくつかの書を上梓している森銑三氏が述べているとおり、この書を読んでいると「気持ちがのんびり」してくるのである。この一点だけを挙げても、この書が希有なものだという証左だと思われる。2009/02/23
のの
0
日常的なことほど記述されずになくなってしまう。 よく本を読んで覚えてるなぁと。他の本も読んでみます。2010/10/04
はちゑ
0
明治時代に話題になったものや事柄を、その時代の小説家の小説や俳人の俳句、随筆などをふんだんに扱って紹介しています。明治の庶民のことを学ぶには、とても良い本でした。あとがきにもありましたが、当時の小説のどの部分でその明治のものや事柄が出てくるかを事細かに覚えている、作者の記憶力の良さには感動すら覚えます。2020/07/21
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