内容説明
願いがかなうんですね? このカクテルを飲むと……。バー「まいごの子猫」は、マスターが客の要望に応えてカクテルを作ってくれる不思議なバーだ。許されぬ愛の間で気持ちが揺れる女性、子供に先立たれて深い喪失感を抱える夫婦、成就できなかった苦渋の駆け落ちへの想い。こころの痛みを癒す一杯のカクテルは、苦いけれど甘いひとときの官能の味。恋愛小説の旗手として若い女性に人気の小手鞠るいがそれぞれの人生のきれはしを描く、7篇の官能的な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
24
「シーツとシーツのあいだ」が文庫化にあたり改題されたもの。「迷子の仔猫」というバーの名前が印象的で大人な出来事にどきどきしていた覚えがある。文庫では小池真理子さんの解説にとても共感。私が作者の文章に惹かれる(特に女性がらみのもの)理由がわかった気がする。表紙も文庫の方が素敵で私好み。「シーツと…」は2011年に読んでおり、自分の中にこの11年は数えきれないほどの痛みがあったな…としみじみ感じた。痛みを感じつつも、その痛みが懐かしく感じられるのは、文章の瑞々しさにに浸されてしまうからかも。2022/07/16
わんつーろっく
17
久しぶりに小手鞠さんの恋愛小説を手に取る。2011年刊行「シーツとシーツのあいだ」を改題・加筆修正したものだが、小池真理子さんの解説に惹かれての再読。あぁ、こんなファンタジーのようなストーリーだったか。まいごのこねこという名のバーを舞台に、バーテンダーが差し出す美しいカクテルを飲むと・・嘘か真か幻か。甘くて痛くて怖くもあり、大人の恋愛事情怒涛の7編。2024/09/09
こばゆみ
13
表紙はちょっと怖いし筆者もあとがきで「怪談っぽい」って書いてるけど、わたし個人的には「不思議」が優先する感じの短編集。「まいごの子猫」というバーが共通して出てくる、カクテルをモチーフにしたお話たち。気軽に読めて、男女のドロドロが愉しめます(笑)。2022/07/31
Mayrin
11
初読みの作家さん。バー迷い猫での短編小説。バーを舞台にした小説は何冊か読みましたが、少しミステリアスな大人のお話しで面白かったです。2022/10/22
ますみ
3
★4★2022/08/31