内容説明
『ウルトラマン』『帝都物語』『オーケストラがやってきた』…テレビ映画、映画、クラッシック音楽などさまざまな分野で多彩な活動を展開した実相寺昭雄。実相寺と交流のあった気鋭の評論家が、作品を論じつつ、その生涯と作品を、寺院の伽藍に見立てて描く。
初めて公開される日記、絵コンテ、スナップなど秘蔵図版多数収録。
没後10年、生誕80周年記念出版!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
32
実相寺昭雄さんを様々な仕事から俯瞰する。ウルトラマンの頃、怪獣のデザインに失望していながら、ウルトラマン作者の代表のようになっていき、晩年、オペラ「魔笛」にまで怪獣を登場させてしまったということを知り、「ウルトラ怪獣幻画館」を見る目が変わってきた。実に多彩な仕事振りながら、自分流を貫く姿勢に、さらなる魅力を感じた。数多くの貴重な写真に目を見張り、今まで知り得なかった実相寺さんの実像に触れたような気がした。2017/04/19
kei-zu
14
マンガ「フジアキコ物語〜ウルトラマン撮影秘話」(長谷川光司)で、実相寺監督は、背の高い怪しげな人物として登場していました。 「ウルトラマン」「ウルトラセブン」をテレビで見る僕ら少年にとって、実相寺昭雄監督は、確かに「怪人」でした。 映画「帝都物語」を手がける一方、官能小説やAVに手を伸ばす姿勢に当時は首を傾げましたっけ。本書は、いずれも実相寺監督の中では不可分であったと分析しています。 角度を変えると違う輝きを示すような多才ぶりは、まさしく監督自身のカメラワークを思わせます。2021/06/02
Y.C.STUPID
4
労作。資料写真の撮り方に、章立ての工夫に、いちいち込み上げる嬉しい気持ち。2017/03/30
hirokazu
2
2006年11月29日、実相寺昭雄氏逝去。69歳。特撮ファンの一部からは神格化された存在である同氏の没後10年に際し、出版された研究本。「いくつもの伽藍の配置からなる実相寺という寺に見立てて章立てする」という発想に感心した。この本と2014年に出た「別冊映画秘宝 実相寺昭雄研究読本」の2冊が以降の実相寺研究のテキストとなるのだろう。2017/02/16
misterplanty
1
物書きじゃないのだろうから仕方ないのかもしれないがあまり印象に残らない。2024/12/16