内容説明
香港の自由を守るためには、
「暴力」が必要だった――
香港の民主化をめぐる戦いで、警察との激しい衝突で有名になった
「勇武派」の若者10人に直接インタビューした貴重なルポルタージュ。
中国共産党による力の支配が貫徹する契機となった2019年のデモ当時の内幕を
現在は海外で逃亡生活を送っている当事者たちが包み隠さず語る。
権威主義国家の暴走が世界を揺るがしているいま、必読の一冊!
◇「勇武派」とは――
香港の民主化闘争において火炎瓶やレンガ、その他の武器などを用いて警察部隊を攻撃し、さらには施設の破壊、警官襲撃などもおこなった過激派の若者たちの呼称。
《勝てるはずのない「負け戦」になぜ、多くの若者が人生を賭けて参加したのだろうか。多くの代償を払うこの戦いに身を投じて後悔することはなかったのだろうか。負け戦に果敢に参加した若者たちの青春群像がリアルに、等身大に表現されているのは、本書の最大の魅力である。彼らの戦いに賭けたその思い、仲間への気遣いだけでなく、体を張った行動の息づかいや心音すら感じられるようで、読んでいて正直、胸が痛くなった。》
本書「解説」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
10
夢中で一気に読んだ。現在台湾に逃げた「勇武派」たちによる生証言。台湾での出版を中国からの妨害で阻止され、世界に先駆けて日本で発刊。雨傘からずっと見守ってきた香港のことを想いながら、苦しくも哀しくもなりながら。多くの人に読まれて欲しい。まとめ方も、インタビューもとても理性的。解説から現在の香港や台湾の状況の理解ができる。2022/07/18
魚の骨
2
勇武派を取り上げた本書はある時は紅衛兵の様であり、ある時は葉問の弟子たちの様であり、王家衛の映画の様に退廃的である。彼らは痛々しいぐらい若くそして巨大な中共の前では無力だ。主に台湾に逃げた若者にインタビューしたものだが、日本には来てないのだろうか?それとも全く選択肢には入っていなかったのだろうか?魚蛋革命や香港理工大立て篭もりなど雨傘革命から時系列表があれば良かった。デモよりも1発の銃弾が偽民主主義を暴いた日本のことを彼らはどう見ているのだろうか?読了後感じたことは暴力は陶酔、私の大好きな香港はもうない。2022/09/19