内容説明
「横田、センターに入れ!」1096日ぶりの出場となった引退試合で見せたプロ野球人生最後のプレーはいまだ語り継がれている。ドラフト2位で阪神タイガースに入団。将来を嘱望されたが、プロ4年目に脳腫瘍に侵され、18時間に及ぶ手術の後には過酷な闘病が待っていた。絶望と苦しみの日々の先に見えたものとは?感動の自伝的ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いこ
112
これは「元阪神タイガース 横田慎太郎選手」の手記だ。彼は将来を嘱望された選手だった。しかし、入団4年目に脳腫瘍が見つかる。大手術をして成功するが、野球選手として致命的な後遺症が残ってしまう。それでも彼は諦めなかった。子供時代から「野球だけ」見つめて生きてきた。練習も誰よりも沢山してきた。辛い治療やリハビリにも「野球のため」に耐えた。しかし、後遺症は彼に野球を続けることを許さなかった。それでも「野球の神様」は、彼を見捨てなかった。最後の最後に素晴らしいご褒美が!今、辛い人。神様は君の努力をちゃんと見ている!2023/08/29
TakaUP48
79
「プロ野球・阪神の元選手で、現役時代から闘病を続けていた横田慎太郎さんが18日朝、脳腫瘍のため亡くなりました。28歳でした」TVのニュースで知った。脳腫瘍という大病に罹り、復帰を待つという周囲の声に励まされ、何度も折れそうな心…必至に闘病生活を送り、復帰が見えてきた。でも、ものは2重に見える。引退を決意し最後の試合で奇跡は起こる。「野球の神様って、本当にいるんだな」鳥谷が声をかけてくれた。野球一筋の強い思いが信念が、ここまで人間を心を強くしたのだろうか!涙よりも感動!!今日、阪神の優勝祝賀パレードがある。2023/11/23
みこ
51
一人の若者の生きざまに涙なくしては読めない。特に彼が早世した後となっては、高校時代にプロ野球選手という夢に突き進む姿は外出先で読むことを到底勧められない。言い間違いをいじられるある意味糸井二世な所や、掛布氏に指導してもらったことを父が妬む話も本来ならアクセントとしてホッコリするところなのだろうけど、そんな周りから愛された彼はもうこの世にはいない。引退を決めた後の父・真之氏の「ここまで強い男だとは思わなかった」という言葉を改めて彼に送りたい。最後のプレーは奇跡でも何でもない。彼のたどり着くべきゴールだと思う2023/08/01
再び読書
48
ロッテの横田選手を覚えている者として、親父より早く天に召される彼の死にショックを受けた事が思い出される。この本を読んでも、真っ直ぐな、性格が感じられ、より辛さを感じ、何度ウルウルさせながら読んだかわからない。病気である脳腫瘍の理不尽さに滅入ってしまう。その中で、母の献身的な、息子を一途に思う看病ぶりに涙は抑えきれなかった。阪神の2023年優勝時に掲げられたユニフォームにまたもや、涙腺が崩壊。野球の神様は、この結末を知って奇跡を起こさせたのだろうか?2025/07/04
金吾
45
◎鳥谷さんの言葉通り野球の神様がいると感じる話でした。昨年の訃報に接した時を思い出し、涙腺を刺激されながら読みました。思うところがあり今日読みました。本人の頑張り、感謝の念、家族の愛、周りの心遣い等大変良かったです。2024/10/18