講談社選書メチエ<br> 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

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講談社選書メチエ
心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

  • ISBN:9784065241066

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内容説明

あなたが「思っている」と思っていることは、全部でっちあげだった!

「心の奥底には何かが隠されている」と、誰もが思いたがる。
心理学者や精神分析学者たちは、暗がりに潜むものを暴き出そうと奮闘してきた。
だが、神経科学や行動心理学の驚くべき新発見の数々は、隠された深みなどそもそも存在しないことを明らかにしている。
「無意識の思考」などというのは、神話にすぎなかったのだ。

わたしたちの脳は、思考や感情や欲望を「その瞬間に」生み出している……行動の理由も、政治的信念も、そして恋心さえも。
本書が紹介する数々の驚くべき実験結果を目にしたとき、そのことを疑うことはもはや不可能になる。
世界はどのように存在し、自分はどんな人間であるのか―それも、脳がもつ途方もない即興能力によって創り出されるフィクションなのだ。

認知科学をリードする世界的研究者が脳と心の秘密を解き明かす、超刺激的論考!

※原題は、The Mind is Flat: The Illusion of Mental Depth and The Improvised Mind (Penguin, 2019)

【本書「訳者解説」より】
本書の最終結論である「心には表面しかない」ということは序章から明記されており、深みという錯覚で私たちを騙している犯人は脳であるということが、あたかも最初から犯人がわかっている倒叙ミステリーのごとく、はじめから述べられている。そして、心理学実験を紹介しながら進められる論証は、章を追うごとに説得力を増していくことが、一読してわかるだろう。

チェイター教授は、オークスフォード教授との推論心理学(人間はどのように推論するのか)の共同研究を続けつつ、意思決定や判断、言語や社会的相互作用へと研究領域を拡げ、また自ら会社を共同創業したりイギリス政府へ協力したりと、認知科学のビジネスや政策への応用にも取り組んでいる。

「心は実体というよりは、外界と接する接触面(インターフェイス)における即興演奏の ”手癖” である」という捉え方を展開する本書の見方の射程はかなり広い。

【本書の内容】
序章 文学の深さ、心の浅さ
第一部 心の深みという錯覚
 でっち上げる力/現実という実感/インチキの解剖学/移り気な想像力/感情の創作/選んだ理由の捏造
第二部 即興が「心」を作る
 思考のサイクル/意識の経路の狭さ/無意識的思考という神話/意識の境界/原理ではなく前例/知性の秘密
終章 自分を創り直す

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

68
脳科学が扱う領域に些か興味があり、関連する書物などを手にしてきた。本書はそんな自分にとって、実感することのできる脳科学の真実に最も近い見方を提供してくれている。曰く、「無意識の思考、深層心理、内的世界……そんなものは存在しない。記憶の中の光景も政治的信念も」すべては脳が瞬間的に創り上げているもの。一連の物語と思っているものはすべて、脳により、そう思わされている。本書の主張をまとめればそんなところに落ち着く。それを実証する心理学的実験の一つが、脳が瞬間瞬間に認識できる範囲は極限られていて、風景でも文章でも、2022/12/21

ニッポニア

67
心とは、簡単に使っていますが、定義するのは難しそうです。以下メモ。トルストイの小説、キャラクターを如何様にも読めること自体、小説の本文にも答えがないことの証。文脈の重要性は想像を超える、近くにまつわる普遍的特徴の一つ。左脳の解釈者が、私たちが考えたり感じたりするその瞬間にその思考や感情を構築している。即興が心を創る。脳が従事している複雑な計算についての自覚は一切ない。過去の記憶の痕跡を現在の入力へと対応付けして意味を重ねつけることを柔軟に行なっている。2024/07/22

harass

55
youtube「ゆる言語学ラジオ」で紹介されていたのが、kindke unlimited に入っていて、読む。原題「Mind is flat」心の深さといわれるものを、知覚心理学や人工知能、脳科学から徹底敵に否定していく。人間の知覚、精神、感情自体は不完全極まりないのだが、経験や記憶から脳が即興的に補っているだけとする。深み自体がないのだと。これまで直感的に常識的に感じて考えられていたこととは異なるのだが、非常に説得力に感心していた。フロイト理論などの完全否定に納得。あまりの内容にどうレビュを書くべきか。2024/06/16

ジョンノレン

54
脳は現在の課題に対処するため解釈という名のでっち上げを多用することで、断片的でスカスカの情報から全体感らしきものを構築、そして心に深層はなくフラットな表層でのやり取りに収斂するとの主張。トルストイのアンナ・カレーニナ絡みの情報のスカスカさの話は思わず納得してしまったが、根拠を示していく脳機能の解説等に斬新さはなくクールに割り切り過ぎな感じも。知覚と脳のみで人体ネットワークへの考察もない。ただ現実生活を振り返るとよりシンプルに考えることは悪くないなと。他方で見えていない部分に一顧も必要なんだろうなあ。 2025/05/02

yutaro sata

37
人間と、物語るということの近さ、創造行為との近さを感じる読書体験だった。 心に深みがあるというのは幻想で、過去の記憶を材料に、その場その場で即興的に物語を、あるいは感情をも上手に、人間に一貫性のあるように作り上げていくのが人間なのだ、という話は、人間理解をまた一段違う場所へと導いてくれる。 どうしても世界に意味を見ずにいられないのも、それは脳自体がそういう仕事を果たしているからなのだということが分かる。2023/05/31

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