創文社オンデマンド叢書<br> 出来事と自己変容

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創文社オンデマンド叢書
出来事と自己変容

  • 著者名:景山洋平【著】
  • 価格 ¥7,865(本体¥7,150)
  • 講談社(2022/07発売)
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内容説明

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【内容紹介・目次・著者略歴】
本書は、ハイデガー存在論の探究構造とその変化を、二十世紀初頭の思想潮流に深く根ざした修業時代から、『存在と時間』の立場を形成した初期フライブルク期とマールブルク期、独自の現象学的形而上学をうちだす形而上学期、形而上学の根源への遡行がもたらす「転回」、そして、現代哲学に比類ない影響を与えた出来事の哲学を確立する後期著作にいたるまで包括的に分析し、これにより、存在の問いの実体に他ならない「変容」の論理を解明する。陸続と刊行されるハイデガーの最新資料がしめすハイデガーの思考の繊細な揺らぎに耳を澄まし、リアリティの究極の根底に遡行する精神の軌跡、その中で精神がとげる変容の過程をたどり、西洋哲学の臨界で新たな思索の可能性を求めるハイデガー存在論の視座を真に共有し、今日の我々の思考のさらなる前進をめざした著者渾身の作。
【目次】

第一節 問題領域の提示:現象学的存在論において自己変容が問題となる理由
第二節 ハイデガー哲学における「変容」の意味と本研究の焦点
第三節 各章の構成
第一章 ハイデガー哲学の誕生
導入
第一節 由来としての神学
第二節 普遍的存在論と純粋論理学
第三節 有意義性と生
第四節 宗教哲学草稿(1917~1919)における実存体験と存在論の統合
第二章 解釈学的現象学における自己変容
導入
第一節 ハイデガーのディルタイ批判とミッシュの反批判
第二節 一九一九年戦争緊急学期講義から一九二二年夏学期講義に至る初期解釈学的現象学の構造:時間性概念を導入するまで
第三節 解釈学的現象学の全体的統合化による記述構造と事象把握の変容
第三章 形而上学という自己変容
導入
第一節 ハイデガー形而上学の生成
第二節 付論:ハイデガー形而上学の展開可能性
第四章 「転回」という自己変容
導入
第一節 『カント書』におけるハイデガー形而上学の臨界
第二節 ハイデガー形而上学の終焉:「現れ」と「隠れ」の二重性の浮上
第五章 出来事の只中で変容する自己性
導入
第一節 世界経験の原初的与件としての出来事の機制
第二節 世界経験における変容を反復する自己性
結論

あとがき

景山 洋平
1982年生まれ。哲学者。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。関西学院大学大学院文学研究科・文学部准教授を務める。専門は現象学、解釈学、近代日本哲学。
著書に、『東アジアにおける哲学の生成と発展』『「問い」から始まる哲学入門』『作業療法カウンセリング』(共著)『出来事と自己変容 ハイデガー哲学の構造と生成における自己性の問題』などがある。

目次

目次

第一節 問題領域の提示:現象学的存在論において自己変容が問題となる理由
第二節 ハイデガー哲学における「変容」の意味と本研究の焦点
第三節 各章の構成
第一章 ハイデガー哲学の誕生
導入
第一節 由来としての神学
第二節 普遍的存在論と純粋論理学
第一項 妥当概念と存在論:『心理学主義における判断論』
第二項 認識論的問題構成とその循環:『ドゥンス・スコトゥスの範疇論と意義論』
第三節 有意義性と生
第一項 有意義性の発見 教授資格論文結語部とラスクの哲学
第二項 生の存在論への転換 『歴史学における時間概念』
第四節 宗教哲学草稿(1917~1919)における実存体験と存在論の統合
第二章 解釈学的現象学における自己変容
導入
第一節 ハイデガーのディルタイ批判とミッシュの反批判
第二節 一九一九年戦争緊急学期講義から一九二二年夏学期講義に至る初期解釈学的現象学の構造:時間性概念を導入するまで
第一項 探究の端緒における「根本経験」の位置と解釈学的論理構造の自覚化
第二項 先理論的生の存在構造と生の自己忘却傾向の解明
第三項 「根本経験」に向けた生の「反対運動」と時間性の浮上
第三節 解釈学的現象学の全体的統合化による記述構造と事象把握の変容
第一項 『ナトルプ報告』・『時間の概念』・『プロレゴメナ』・『存在と時間』における解釈学的現象学の記述構造と事象把握の変容
第三章 形而上学という自己変容
導入
第一節 ハイデガー形而上学の生成
第一項 基礎的存在論の内的亀裂:『存在と時間』の「運命」と「歴運」概念
第二項 メタ存在論と形而上学の二重構想
第三項 二つの「世界観」概念による形而上学の統合の試み
第四項 ハイデガー形而上学における人間の位置:形而上学と哲学的人間学
第五項 世界形成と全体における存在者それ自体:ハイデガー形而上学の到達点
第二節 付論:ハイデガー形而上学の展開可能性
第四章 「転回」という自己変容
導入
第一節 『カント書』におけるハイデガー形而上学の臨界
第一項 形而上学の根拠付けにおける構想力の論理的位置価
第二項 ハイデガー形而上学における構想力概念の意義の再定式化
第三項 構想力と根源的時間の関係の曖昧さ:ハイデガー形而上学の内的亀裂
第四項 構想力論の難点の再定式化とその解決可能性
第二節 ハイデガー形而上学の終焉:「現れ」と「隠れ」の二重性の浮上
第一項 『真理の本質について』における存在の「隠れ」の自覚
第五章 出来事の只中で変容する自己性
導入
第一節 世界経験の原初的与件としての出来事の機制
第一項 出来事の根本性格としての「現れ」と「隠れ」の二重性
第二項 「現れ」と「隠れ」の二重性における存在者の経験性格:「四方域」概念の現象学的意義
第二節 世界経験における変容を反復する自己性
第一項 世界経験の反復としての「保蔵」
第二項 「保蔵」の複数性とその統合可能性という問題領域
結論

あとがき