日経プレミアシリーズ<br> デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

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日経プレミアシリーズ
デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして

  • ISBN:9784296114337

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内容説明

インターネットは、私たちの生活になくてはならない存在となっている。一方で、フェイクニュースやデマの氾濫、プライバシー漏洩、炎上やハラスメントをはじめ、まったく新しい、かつ困難な課題を投げかけている。ネット上の膨大な情報は、人間の脳の処理能力を超え、自分の見たい情報しか見なくなる「フィルターバブル」「エコーチェンバー」といった弊害も生まれている。社会の分断を加速し、個人の尊重や自由、民主主義など、憲法が要請する原理原則を脅かす喫緊の問題でもある。技術進歩がもたらす便益を享受しつつ、健全な情報空間をどう再構築するか。情報中毒に陥らず、「情報的健康」を実現するために、メディアやプラットフォーム運営者、情報の出し手や受け手、政府や企業は何をすべきなのか。SNS上の「デマ」や「炎上」を分析してきた計算社会科学者の鳥海不二夫氏と、情報社会における人権や自由の問題を考察してきた法学者の山本龍彦氏が、デジタル情報空間がもたらすさまざまな課題を論じる。

目次


【目次】
第1章 アテンション・エコノミーに支配される私たち 
第2章 デマの拡散や炎上はなぜ起こるのか、誰が起こしているのか 
第3章 分断を加速するフィルターバブルとエコーチェンバー
第4章 デジタル空間と言論の自由 
第5章 プライバシーと尊厳はいかにして保護されるべきか
第6章 情報的健康をどう実現するか
(資料) 共同提言「健全な言論プラットフォームに向けて――デジタル・ダイエット宣言ver.1.0」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちくわ

6
デジタル空間の「情報」に向き合うにあたっては、フィルターバブルやエコーチェンバーという現象について語られることが多いが、それに対する方策として、本書では「情報的健康」という概念を提案する。要するに、情報の偏食を防止し、多様な見解に触れることで、デジタル空間がもたらす悪影響を防止する方策をとっていかねばならないというものである。具体的に本書であげられる方策としては、環境自体を制度や規制を用いて整備していくというものであり、放送法と対置して述べられているのはわかりやすい。今後の社会を考えるには有益。2022/11/28

Yuichi Tomita

4
インターネットやSNSにおいて、フィルターバブルやエコーチェンバーなど、偏った情報に多く触れている現状に対する提言を行うもの。 栄養表示のような表示が出来ないか、人間ドックのようにどれだけ偏った情報に触れているかの情報ドックなどを提案しており、意図は分かるが、実際に実現可能なのかという点で具体的な対策の難しさを感じさせる内容だった。2023/04/18

takao

2
ふむ2022/12/10

mim42

2
鳥海氏のパートは共感と賛同しかなかった。面白い分析。論文を読みたい。しかし、山本氏の考えには賛同できない点が多かった。基本的にバイアスに塗れた主張で、マスメディアを所与として措く辺りのセンス、欧米がこうだから日本も追いつけのようなバブル価値観、この二点が最も気に食わない。もちろん良いことも言っているのだが。最後の「宣言」には特にポジもネガもない。ふーん。今度は鳥海氏の分析を単著で読みたい。2022/07/28

oritako

0
これはゼミ輪読でぜひ使いたい。自分が現在どのような情報環境に置かれているか、非常にシビアに考えさせられた。2023/02/15

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