内容説明
歴史×スパイ×名探偵
傑作『狼たちの城』待望の続編登場。
ゲシュタポ捜査官になりすましたユダヤ人の
元古書店主が、女性絞殺魔の謎にふたたび挑む!
イザーク・ルビンシュタインの新たなる闘い!
ニュルンベルク、1942年。ユダヤ人の元古書店主イザーク・ルビンシュタインの悪夢は続いていた。
逃走中にゲシュタポ犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンと間違われたまま、女優密室殺人の謎を見事に解明してみせた彼は、
街からの脱出をぎりぎりまで延ばして機密文書の奪取を試みるが、そこで新たに発生した女性絞殺事件の謎に捜査官として再び立ち向かうことに。
正体が露見すれば即「死」という究極の状況下で、「狼たちのなかの羊」は生き残ることができるのか?
『狼たちの城』の続編登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
59
「狼たちの城」の続編。 1作目を見た時まさか続編があるとは思いもしなかったが、今作はイザークが故郷に帰るまでの6日間。 再び起こった殺人のため、捜査官として駆り出される事態に。 いつばれるかという緊張感は前作にも増している。 正体を嗅ぎつけたものがイザークに取引を持ち掛けてくる。 事件の解決と共に、ナチスとの関係も終わるのかと思ったが、どうやらまだ続きそうで、クララの元に帰ることはできるのだろうか。2022/09/06
NAO
51
ヴァイスマンになりすましたユダヤ人イザークが、狼(ナチに近いドイツ人たち)の中で孤軍奮闘するサスペンス。彼がナチのただ中にいるのは、ナチの機密文書を手に入れたいからだが、殺人事件が起き、ヴァイスマンことイザークは、捜査を命じられる。イザークを恋敵と恨む新聞記者が執拗にイザークの周辺を嗅ぎ回ったり、地元の刑事がイザークに違和感を抱いたりと、イザークは正体がバレたら死という窮地に追い込まれる。ユダヤ人のイザークがなぜヴァイスマンになりすましているのかは前作『狼の城』に描かれている。2022/11/08
M H
35
ユダヤ人がナチスの捜査官になりすます「狼たちの城」にまさかの続編。またもや殺人事件の捜査をすることに。前作と比べて孤立無援、疑われるシーンも増えて緊迫感が…あんまりない(笑)追い詰められるほど、深刻になるほど漂うコント感。何でバレないそれ罠だからどんだけ口が軽いんだおかしいやろ大概絶対有能じゃねえよってツッコんでる間に終了。結局面白かったような。が、このラスト!続くのか?どうすんの!2022/09/07
しゅー
5
★★『狼たちの城』の続編。単発の作品かと思いきや、前作は単なるプロローグだった!一作目で状況説明が済んでいるので、本書はサクサクと本筋に入ってテンポが良い。『狼たちの城』よりもユーモア少なめ、サスペンス多めかな。主人公のユダヤ人古書店主がナチスの犯罪捜査官の身分を騙り始めてから、かなり時も立つので正体がバレる危険が高まっている。ドイツの機密を手に入れようとするスパイ・スリラーとしてのハラハラドキドキと、またもや取り組むことになった犯罪捜査のミステリと、一粒で2度美味しい。ひょっとしてまだシリーズ続くのか?2022/09/02
ふる3
3
1942年ドイツ、ユダヤ人なのにゲシュタポの凄腕捜査官アドルフ・ヴァイスマンに成りすまし、前作で殺人事件を解決したイザーク。女性連続殺人事件の担当にさせられた。ウルスラがイザークを愛することに嫉妬する新聞記者バッハマイヤーが、彼を貶めようとする・・・ ドキドキしながら読んだ。イザークはナチス・ドイツの機密情報をレジスタンスに流すため危ない橋を渡る。まるで自分がユダヤ人として当時のドイツにいるかのように。 今でいうなら、トランプ支持者だらけになった共和党内で反トランプを掲げるようなものか。2022/08/31