集英社文庫<br> アタラクシア

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集英社文庫
アタラクシア

  • 著者名:金原ひとみ【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 集英社(2022/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087443837

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内容説明

最も幸せな瞬間を、夫とは別の男と過ごしている翻訳者の由依。恋人の夫の存在を意識しながら、彼女と会い続けているシェフの瑛人。浮気で帰らない夫に、文句ばかりの母親に、反抗的な息子に、限界まで苛立っているパティシエの英美。妻に強く惹かれながら、何をしたら彼女が幸せになるのかずっと分からない作家の桂……。望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう――「心の平穏」(アタラクシア)を求めながら欲望に振り回され、ままならない結婚生活に救いを求めもがく男女の姿を圧倒的熱量で描き切る。第5回渡辺淳一文学賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

88
イライラする。登場人物の多くが不倫していて、不倫て何か語り合う。語るな、感じろ。気持ち悪いのは主役といえる由依。元モデルという設定は金原作品に於いて凡人を超越した特別なものという意味を持つ。つまり作者の理想像でありナルシズムの権化なんだが、フランスかぶれの気取ったキャラで、何も考えていない。お洒落じゃなくて不思議ちゃんだろ。由依の夫、桂は外見で細かく人をランク付けするちっちゃい奴。真奈美、英美、枝里は自己評価が低過ぎて人目気にし過ぎでこれまたイラつく。ここから金原ひとみ読み始めたらここで終わってた。2023/07/16

mayu

80
アタラクシアとは心の平穏という意味があるそうだが、平穏とはほど遠い男女の機微が描かれている。求めているのは、たとえ一方通行でも愛を貫くことなのか、誰でもいいから強く愛されることなのか。結婚という制度の中で愛はなくても安穏とすることなのか、世間的には許されなくても感情のままに生きることなのか。誰もが幸福になる道を探しているはずなのに、満たされない。私は違うと思いたくても、登場人物みんなにどこかしら共感できるところがある。金原さんの書く激しく生々しい感情のやりとりは、痛いのに無性に読みたくなる。2022/10/09

佳蓮★道央民

74
★★★★★★★七つ星✨初読み作家さんでしたけど、非情に面白かった作品でした!何ていうか、大人の恋愛小説って言うか、凄くドロドロしてる作品だなぁって思いました。不倫の話だったので、私もよく出会い系とかをやるけど、まぁ、一部分かるなぁって共感出来たところもあったので、でも、不倫は駄目だろうって思いました。どうして好きな人と結婚したのにも関わらず、他の人を好きになって不倫してしまうんだろうって疑問が湧いちゃいました。金原ひとみさんの文体が好きになったので、他の作品も読んでみたいです!!ありがとうございました!!2022/11/18

優希

54
刺さるような痛みがあるのに読んでしまいます。望んで結婚したはずなのに、「幸せ」という言葉が見えないのが辛いところでした。苦しくて毒々しい中でもがく男女を強い熱を持って描いているのが辛いのですが、私を引き付けて放しません。それだけ強い何かがある作品なのでしょう。金原さんの本を他にも色々読みたくなりました。2022/07/10

よしぱん

40
★4 不倫と痛みにまみれた、どっと疲れる群像劇。6人の視点が出てくるがみんな満たされておらず、爆発しそうになっている。見下していた男に「彼女いるから」と拒否される苛立ち、軽薄ホストへの依存から脱するべくLINEトーク履歴をバックアップしてから削除する矛盾、「DVパパと離婚していいよ」と11歳息子に言わせてしまう罪悪感、愛や相互理解など幻想ではないかという葛藤、などなど。ちっともアタラクシア=心の平穏、が存在しないアタラクシアという名の一冊。2022/10/16

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