内容説明
究極の特殊設定ミステリ、文庫化!
犯人を見つけるまで令嬢は何度も殺される。殺人の夜をタイムループし、関係者の人格を転移しながら真相を追え。阿津川辰海氏絶賛。
※この電子書籍は2019年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えにくす
98
苦悩する漢を描いたSF傑作ミステリー。ブラックヒース館に来たエイデンは、謎の黒衣の男からイヴリン嬢を殺した犯人を探すよう言われ、その時から次々と別人に人格転移する。頻繁に転移しタイムリープするから、誰か分からずややこしい。情報量が多過ぎて混乱するが、事件の概要が明らかになった終盤からは、ようやく読む手が止まらなくなる。果たしてイヴリン嬢を殺した犯人は?恐るべき館の、衝撃の正体とは?主人公はこの館から、無事に脱出出来るのか?絶体絶命の大ピンチ!もうダメだ!そして感動のラストは、思わず涙してしまった😭★4.32024/07/08
Tetchy
89
まさか今世紀にこれほど推理ゲームに淫した本格ミステリが英国の地で刊行されたとは思わなかった。しかも屋敷の敷地図から室内のレイアウトだけでなく、本来邦訳版にのみ附されている登場人物表が仮面舞踏会の招待状という体裁で載せられているから心憎い。更に現在日本で流行の特殊設定ミステリだから驚きだ。主人公が入れ替わるこの物語は「誰もが人生の主人公である」ということを体現した小説であるとも云える。異なる人物に憑依することで、通常気付き得ないそれぞれの物語を描くことに成功した希有な作品だ。とにかく驚きに満ちた作品である。2026/06/16
yukaring
57
タイムループサスペンス。同じ1日を繰り返す館に閉じ込められたエイデンは「毎日舞踏会の夜に殺され続けるイヴリン嬢の死の謎を解かなければ、このループから脱出できない」と仮面の怪人に告げられる。しかもループする度に別の人間に意識が転移してしまう。館の8人の招待客の意識に次々と転移しながら同じ出来事を様々な角度で観察するエイデン。見る人間が違うと同じ事実も全く違ってくるのが面白い。謎の協力者と調べていく内に繋がる過去の事件の謎やこの空間の意味など、真相にたどり着くまでが少しややこしかったがそれでも充分楽しめた。2022/09/08
Shun
36
冒頭、主人公の記憶は空白状態に陥ったまま女性の名を叫んでいる。しかし何故その名を口にしたのか、自分はどこにいるのか分からない。少し進むとそこには舞踏会が開かれている館があり、そして知人と思われる人物から告げられた己の名には覚えがなく全く知らない人物だった。そんな序章で幕を開ける本作は特殊設定の本格ミステリで、館という閉鎖空間での時間ループに加え、主人公の意識は複数人の身体を転移までするという複雑な内容です。この状況に陥った原因は終盤まで明かされず、毎回同じ結果を迎えるイヴリン嬢の死の真相が鍵となる物語。2022/07/17
よるのもち
30
館もの+タイムループ+人格転移。一見複雑になりそうな設定だが、序盤を乗り越えたら意外と悩まずにすんなりと読めてしまった。登場人物も多いが、人格が別の人間に移る毎に順を追って紹介されていくので、把握もそれほど難しくない。道中で明かされていく事実により物語全体の構図が二転三転していく度に驚かされてしまった。最終的な犯人も全く予想がつかず、うまいこと騙された感じがする。阿津川辰海による解説も面白かった。2022/11/22
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