最古の戦争史に学ぶ 人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか

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最古の戦争史に学ぶ 人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか

  • ISBN:9784866515427

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内容説明

戦争に疑問を感じるすべての人へ
2500年変わらない、人が戦争に導かれる原理とは?
ウクライナ危機・米中対立にも共通する、人間の本質を映した
人類最古の戦争史『戦史』が分かりやすい新訳で登場!

人類最古の戦争記録である『戦史』は、栄華を誇った古代ギリシア世界を衰退へと導いた大戦争・ペロポネソス戦争を克明に記録した歴史書です。

人は何を懸けて戦争に向かうのか?
国のリーダーはどのように戦争の必要性を説くか?
敗色濃厚な作戦でも、国民はなぜ戦争を支持するのか?
強国に侵攻されたとき、抵抗するべきか? 降伏するべきか?

そこに書かれているのは、2500年経った現代でも何一つ変わらない、人間の本質を映す言葉と行動の数々。
その普遍性から、『戦史』は世界中の政治学者や地政学者が学び、未来予測にも用いてきました。
著者のトゥキュディデスは、戦争の法則を表す地政学上の概念「トゥキュディデスの罠」の名前の由来にもなっています。

※トゥキュディデスの罠:新興国が勢力を伸ばすと、それまで勢力を誇っていた覇権国との間に摩擦が生じ、衝突が起こるという地政学上の概念。世界史上の戦争勃発のなかで多数を占めるパターンとされ、『戦史』のなかでのアテネとスパルタの構図を、米中対立に当てはめて考えることができる。

本書はその『戦史』から、特に象徴的とされる6つの演説部分だけを抜粋し、分かりやすい言葉で新たに翻訳しなおした1冊。
巻末には、『戦史』から何を読み解き、未来の平和に生かすべきか、茂木誠氏の特別解説も収録!

ウクライナ危機、米中対立、そして訪れるかもしれない第三次世界大戦――
戦争が他人ごとではない今だからこそ読んでおきたい、
「人と戦争の本質」を知るための色あせない名著です。

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目次
序章 ペロポネソス戦争と『戦史』
第1章 戦争の正当化 (ペリクレス最初の戦争演説)
第2章 国のために死ぬこと (ペリクレスの葬送演説)
第3章 戦争の責任 (ペリクレス最後の演説)
第4章 正義と実利 (ミュティレネ討論)
第5章 強者と弱者 (メロス島の対話)
第6章 リスクと楽観 (シケリア討論)
特別解説 茂木誠 時代を超えた教訓に満ちた『戦史』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

49
本書は古代ギリシャで起きたペロポネソス戦争を「戦史」として記述したトゥキュディディスの和訳解説本。戦史の中心は当時の指導者や権力者の演説だが、ロシアのウクライナ侵略のバックにあることを考えるには面白い本と言える。戦争(戦い)が起きるのは、端的に言ってしまうと相手を悪魔化することとナショナリズムである。人の都合である。2022/12/11

ta_chanko

18
2500年前から人間の本質は変わらない。そして民主政治の危うさも…。雄弁な政治家に大衆が煽動され、過激な政策を採ってしまうことが、国家にとってどれだけ危ういことか。また、そういう空気の中で国のために命を捨てることが美化されていく。一時の感情や群衆心理に流されず、長期的展望を見据えて国策を決定できるか。それが民主政治には可能か。英雄ペリクレスでも、国家や民衆を適切に導くことは難しい。そして現代世界は衆愚政治に陥っているように見える。2022/09/17

勝浩1958

7
権力を掌中に収めた為政者は紀元前450年頃と今を比べても、全く進歩していないことが分かります。プーチンしかり、習近平しかり、トランプしかり。2022/10/29

ネコ虎

7
アテネとスパルタの戦いにおける、強気又は慎重派の政治家や将軍の演説を通して戦争に対する態度をツキジデスが描く。2500年前のことながら各演説をウクライナ戦争との類比により評価しながら読み進めた。アテネが米でスパルタが露か。アテネ(米)の民主主義がいかにもろく、戦争を引き起こしたかが分かる。それにしても解説の茂木誠は、全くウクライナ戦争理解が浅いのが情けない。ロシアことが全く分かっていない。翻訳者の太田も同様、プロパガンダをそのまま信じ込んで後書きを書いている。2022/09/10

みのくま

5
欧米人がペロポネソス戦争を現代の国際情勢に当て嵌めたくなる気持ちは理解するが、見えなくなっているものが多いと感じる。「トゥキュディデスの罠」という格言で侵略国家アテネの呪縛から逃れたつもりだろうが、次はスパルタという「都合のいい他者」に同一化しようとする。アテネの帝国主義が時代に合わなくなったので、今度は一国平和主義のスパルタをモデルに変えたにすぎない。本書もある程度批判的とはいえその流れに無縁ではないわけだが、そろそろ古代ギリシアひいてはトゥキュディデスを、そのようなバイアスから解き放ってやるべきだろう2023/11/01

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