内容説明
「私より弱い人の記録係は、やりたくありません」
当時はまだ奨励会員だった芹沢博文九段の言葉です。今では考えられない話ですが、昭和の時代にはこういった個性的な棋士がたくさんいました。
本書は青野照市九段が大山時代から現代まで、棋士や将棋界のことについて語った本です。
現在、五冠となった藤井聡太竜王の話にはじまり、心に残る先輩棋士の話や、将棋界を支える棋戦の話などを詳しく紹介しています。
ぜひ本書を通して、「魔境」の奥をのぞいてください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
R
40
昭和将棋列伝といった感じで、大変面白かった。にわか観る将をやりだしたところなので、羽生世代より前のリアルなところが描かれていると、もはや神話のような感じがしてとても楽しかった。大山時代の生き証人でもある内容だったけど、升田将棋についてかなり量を割いていて、そのすごさ面白さというのが伝わってきて大変よかった。静岡への愛の深さもよい話で、当時地方新聞との繋がりがそういった郷土愛とリンクしていたのに納得感心した。スポンサーというものについて考えるきっかけにもなる話だった。2023/03/22
gtn
24
奨励会時代の将棋会館住込みや、ベテラン棋士達の棋戦中の遠慮のない会話、破天荒なエピソード等、著者は、昭和の空気を味わった最後の世代。1953年生まれにして棋士最年長とのこと。囲碁と比較し、棋士寿命が短く、それだけ過酷といえる。A級に昇格した際、同郷の故芹沢九段がお祝いしてくれ、「もう頑張らなくていいぞ」との言葉をかけられる。タイトルも獲得していないのにと思っていると、「静岡県人が横綱になれる訳ないだろ」との駄目押し。芹沢の屈折した思いが伝わる。2023/04/22
しーふぉ
22
ベテラン棋士の青野9段の著作です。青野流の横歩取りは一時期よく見かける戦法でした。ベテランならではの大山、升田の話しから羽生、藤井聡太の話しまで色々将棋界の話しが聞けて楽しい読書でした。2025/07/19
Gamemaker_K
9
青野さん、地味ではありますが偉大な方ですよ。タイトル戦には絡まなかったけどA級まで昇りつめた方ですし。ということで最後の章の「棋士人生あれこれ」が一番面白かったですね。・・・青野さん考案の鷺宮定跡なんて形がかっこよくて、相手に先に飛車振られたら手の意味考えず真似してましたね(あんまり勝てませんでしたが)。2024/03/24
チェアー
6
描かれているのは、知っていること8割、知らないこと2割。その2割の記述はそこそこ面白い。給料が上がらない話、買った人にたかる風習、勝ちにこだわる棋士。塾生(これも死語になった)時代、麻雀の後片付けは本当に嫌だったという話は実感がこもっている。恵まれない時代を経験した棋士は少なくなってきた。書き残しておくことには意味があるだろう。 2022/09/26
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