内容説明
【たったひとつの『石』が歴史を変えた】
スコットランドのエディンバラ城に宝物として収められている「運命の石」。
この石は、ブリテン島北部がスコットランドと呼ばれるようになる以前から存在しており、その地域を治める王たちの戴冠の儀式に用いられてきた。
本書では、スコットランド人が信じてきた「運命の石」の伝説を辿ることで、ブリテン島北部がスコットランド王国と呼ばれるまでの苦難や、イングランドの侵略と独立戦争、そして現代の独立運動の高まりまで、スコットランドの歴史を通覧する。
【推薦】
佐藤賢一氏(作家)
「運命の石、ブルース、メアリ、ジェームズ一世――キーワードでスコットランド史がよくわかる。」
目次
スコットランドの歴史的重要地
スコットランド王家とイングランド王家の合体
スコットランド王
プロローグ スコットランドの魂
第一章 伝説から辿る「運命の石」のはじまり(一、パレスチナからエジプトへ
二、スペインからアイルランド、そしてスコットランドへ)
第二章 スコットランドをつくった国王たち(一、スコット人の到来からマクベスまで
二、スコットランド王国出現前夜)
第三章 独立戦争(一、運命の石、ロンドンへ
二、ウィリアム・ウォレス、起つ
三、ロバート・ブルース、独立を奪還)
第四章 予言の成就、そして現代へ(一、果たされた運命の石の予言
二、故郷への帰還)
エピローグ スコットランドよ、何処へ
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
116
他の皆さんの評価にもあるように『全史』というには、程遠い、スコットランド中心な英国史エッセイ。スコットランド史の美味しいところを綴ったのはわかるが、それらがどうしてスコットランドナショナリズムに結びついてきたかはわからない。現代におけるスコットランドナショナリズムの、表徴の一つである国民歌『フラワーオブスコットランド』については一言も触れていない。まぁ、250ページで軽い読み物としては上出来なので、その意味ではおすすめである。2022/09/11
アキ
115
スコットランドの独立運動について興味があって手に取った。「運命の石」を中心にイングランドとフランスとの関係もわかりやすく気軽に読めるスコットランドの伝説と歴史でした。戴冠の儀式に使われてきたただの赤色砂岩。1196年エドワード一世は運命の石を奪いウエストミンスター・アベイの戴冠の椅子に安置し、1996年スコットランドに返還されるまで歴代の王が座してきた。現エリザベス二世も。しかし1950年若者がこの石を奪って割ってしまい接着剤でつないだ時にあるメッセージを入れた。これが笑えた。あのマクベスも座ったのかな?2022/09/04
パトラッシュ
104
中公新書版はオーソドックスな通史だが、本書はスコットランド王国の象徴たる「運命の石」の変転を軸に、その成立神話からマクベスを筆頭に王国史を彩った人物列伝となっている。強国の隣に建国してしまった宿命で、スコットランド王とはイングランドとの外交や戦争のためにある地位だった。しかも明確な継承法が定められておらず、内紛や裏切りが繰り返される歴史はポーランドに似ている。ポーランドのように消滅せず同君連合ですんだが、納得し難い民族の思いが運命の石に託され続けた。7百年ぶりに石が戻った今日、果たして独立まで突き進むか。2022/07/27
サアベドラ
37
スクーンの石に関する伝説とイングランドに奪還されるまでの歴史、返還されるまでの経緯をまとめた歴史風読み物。2022年刊。このように「全史」と題名にあるがスコットランドの歴史をカバーしているとは言い難く、講談調の軽い文体と相まって出来は同時期に刊行された『物語スコットランドの歴史』とは雲泥の差。唯一勝っている点は地図と系図が見やすいことぐらい。2022/09/08
寝落ち6段
19
2017年の英国で起きたスコットランド独立についての住民投票。私は恐らく僅差で否決されるだろうと見ていた。結果はそうなったのだけれども、そこまでスコットランドのナショナリズムは膨れ上がったのかと思った。大学時代に英国ナショナリズムを勉強したとき、英国内のスコットランドの特別感が気になっていた。メアリ・ステュアートから続くイングランドとスコットランドの連合化から既に四百年経つというのに。「運命の石」という玉座についてほぼ知らなかった。伝承などの神秘性も含めて、スコットランドの特別感が少しわかった気がする。2023/08/17
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