内容説明
「しゅきです! 付き合って――」「ごめんなさい!」 とある男子高校生の一世一代の大告白である。が……僕の想いは一瞬で打ち砕かれた。 今は人生で3回訪れるという、「モテ期」が来たことをお知らせされる時代。 そのモテ期中は百発百中、告白が成功すると言われている。 大井戸公也、2年生。「モテ期」はいまだ未経験。だけど、そんなの待ってられない! 可愛い彼女を作って、キラッキラの青春ライフを送りたいんだ! 変わってやる……そう決意し、モテ研究に勤しんだ僕に恋の女神は微笑んでくれるのか――。 恋に恋する冴えない男子高生が大奮闘の青春ラブコメ開幕!/集英社ライトノベル新人賞第9回審査員特別賞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐治駿河
42
【モテ期】が具体的な事象として発現する世界の話。【モテ期】以外は現代日本と全く同じ世界観ですね。主人公の大井戸は【モテ期】になる前から恋人が欲しくて少しでも面識ある女性に告白していますが、振られてばかり、そんな彼がモテ期の発現のためバイトをしたり演劇部に入部して具体的な行動に移して行きます。タイトルが【冴えない男子高校生にモテ期がやってきた】となっていますが、主人公が【モテ期】になったのはかなり終盤です。もう少し【モテ期】になってからの内容が充実していれば評価できましたが、今作は少し物足りません。2025/02/25
よっち
28
人生で3回訪れるモテ期が知らされる時代。モテ期未経験ながら高校時代に青春したいがために告白しては玉砕しまくりの高校二年生・大井戸公也が、演劇部に入部する青春ラブコメ。モテ期の友人を見習って反省し、勉強に励み、コンビニでバイトをし、演劇部に入部した公也。辛辣なバイトの後輩に辟易する一方、かけがえのないものになってゆく部活メンバーとの日々。ブラスバンド部の混乱や部活の先輩など身近な例で浮き彫りになる様々なモテ期の形があって、これまで頑張ってきたからこそきちんと向き合えたその結末にはぐっと来るものがありました。2022/06/23
オセロ
25
人生でモテ期が3回くる薬が開発されるも、いつモテ期がくるのか分からない不安から告白を繰り返していた大井戸公也が、自らモテ期を手繰り寄せる為に努力する青春物語。 モテる友人を見習い、バイトを始めたり、演劇部に入ったり、今までの自分を見直す充実の日々を送る中で訪れるモテ期。 モテ期が来れば彼女が出来て楽しい日々を過ごせると漠然と考えていた公也が、自分磨きをする中で関わるようになった人達のモテ期の良いところと悪いところを知って、導き出した答えは公也ならではのものだったと思います。2022/06/26
サキイカスルメ
15
「モテ期」をお知らせされる時代。でも、いつくるかわからない「モテ期」を待っていられないと好きな人に告白しまくっていた高2の大井戸公也。頑張る彼の青春ラブコメ!先生のアドバイスを受けてからは、知り合いが増えて賑やかになりましたね。全体的にイベントが多くお話として飽きることがない反面、語られなかった部分も多いと感じました。魅力的な人物ばかりなだけに、もっとそれぞれについて深く読みたかったなぁとも。主人公大井戸くんが成長し、大切な人たちを得て恋に向き合っていく展開は青春らしい熱さがあってとても素敵でした。2022/06/26
真白優樹
12
科学者の努力により人生で三回あるモテ期が分かるようになった世界で、空回りする少年が努力によって変わる物語。―――変わる事、想う事。当たり前、けれど一番大事な事。 空回りを続け、三本の筋を通して成長を始め今まで見えていなかったものが見えてくる。そんな変化の中に成長があり、真っ直ぐな青春がある物語であり、瑞々しい面白さのある物語である。青春は一人では出来ぬ、君がいなければ始まらない。本当に大切なことに気付けたからこそ、もう手放すことは無いだろう。本当に大切なことに気付けたから。 うん、面白かった。2022/06/26