筑摩選書<br> 「天下の大勢」の政治思想史 ――頼山陽から丸山眞男への航跡

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筑摩選書
「天下の大勢」の政治思想史 ――頼山陽から丸山眞男への航跡

  • 著者名:濱野靖一郎【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2022/06発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480017499

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内容説明

丸山眞男は日本人の歴史意識の古層として「つぎつぎになりゆくいきほひ」を指摘した。「なりゆく」この「勢」の思想を最初に打ち出したのが頼山陽である。主体的能動的に「勢」の変化を制御していこうとする山陽の「天下の大勢」をめぐる思想は、日本近代史をいかに動かしていったか。幕末の老中・阿部正弘と堀田正睦、勝海舟、木戸孝允、徳富蘇峰、原敬の「大勢」認識から、三国同盟の「バスに乗り遅れるな」、終戦の詔勅の「世界ノ大勢亦我ニ利アラス」まで、「天下の大勢」思想の航跡をたどる。

目次

はじめに──バスの行く先
第一章 丸山眞男の「追加」
1 「なりゆき」と「いきほひ」、そして
2 儒学における「大勢」
3 林子平と松平定信
第二章 頼山陽の「決断」
1 徳川の御代のマキャヴェリ
2 「君主論」の誕生
3 徳川将軍へのまなざし
4 「人間」と「功利」
第三章 阿部正弘の「発明」
1 書物のひろがり
2 関藤藤陰の水戸斉昭待望論
3 「衆議」と「英断」
4 西からの「大勢」に
第四章 堀田正睦の「非常」
1 絶群傑出の人
2 将軍継嗣問題と「決断の君主」
3 中川漁村という男
第五章 勝海舟の「憤懣」
1 狂瀾を既倒に廻らすこと能わず
2 手遅れの大政奉還
3 今から三十二年前……
第六章 木戸孝允の「涙」
1 封建から郡県へ
2 御一新の御一新たる所以
3 明治四年七月十四日
第七章 徳富蘇峰の「将来」
1 民撰議院設立の建白書
2 議会開設と伊藤博文
3 『将来之日本』
第八章 原敬の「順応」
1 社会主義もまた気運なり
2 吉野作造は説く
3 「平民宰相」のリアリズム
4 普選をめぐって
むすびに──時運ノ趨ク所
あとがき
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

10
最初、儒学などの学説の話が多くて難しかったが、具体的な政治史と絡み合い始めたところからだいぶ面白くなった。頼山陽と「大勢」を軸に、近代日本の政治思想と政治を分析していく意欲的な一冊。「大勢」を読む人は時に優柔不断で流されやすく見えつつも、大局を読めるリアリストとも評価されうる。2025/05/25

Go Extreme

2
バスの行く先 丸山眞男の「追加」: 「なりゆき」と「いきほひ」、そして 儒学における「大勢」 林子平と松平定信 頼山陽の「決断」: 徳川の御代のマキャヴェリ 「君主論」の誕生 阿部正弘の「発明」 堀田正睦の「非常」 勝海舟の「憤懣」: 狂瀾を既倒に廻らすこと能わず 手遅れの大政奉還 木戸孝允の「涙」 徳富蘇峰の「将来」: 民撰議院設立の建白書 議会開設と伊藤博文 原敬の「順応」: 社会主義もまた気運なり 吉野作造は説く 「平民宰相」のリアリズム 普選をめぐって2022/07/10

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