内容説明
病気や飢餓などのリスクを克服し、人類はかつてないほど快適に生きられるようになった。だが、うつや不安障害は増加の一途……孤独にデジタル社会が拍車をかけて、現代人のメンタルは今や史上最悪と言っていい。なぜ、いまだに人は「不安」から逃れられないのか? 幸福感を感じるには? 精神科医である著者が最新研究から明らかにする心と脳の仕組み、強い味方にもなる「ストレス」と付き合うための「脳の処方箋」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
219
「運動」は1つの有力な解決策である、以上!・・・なんですけど、運動制限がある場合は?という問題が生じます。軽度の運動制限の場合は散歩でOKですが、そうでない場合は?という問いが出ました。そしてそれを考える良いきっかけになった読書となりました。2023/11/02
Kanonlicht
190
『スマホ脳』の著者の最新作。ストレスや不安、うつといった現代の精神的な症状は、かつて狩猟採集民だった人類が、感染症や野生動物、ケガや飢えなどから生き延びるために身につけた脳の防御メカニズムで、異常なことではないと説く。現代の病気の多くは、人類の脳は変わらないのに、取り巻く環境が大きく変わった結果生じたものというのは衝撃だった。あらゆる病気の根絶を夢見つつ、一方でその進化ゆえに自らの首を絞める人類のなんと皮肉なことか。2022/07/27
まちゃ
176
人間(ホモ・サピエンス)が25万年の間に適応してきた環境と脳の進化、そこから解き明かす現代人が抱える不安のメカニズム。興味深い内容でした。不安を和らげるヒントを参考にしたいと思います。『運動をして孤独を避け、他の人が孤独にならないように助けること』2022/11/13
こも 旧柏バカ一代
157
うつ病と脳の機能の考察。狩猟をしていた頃から脳はそんなに変わってない。死因も感染症がほとんどだった昔と比べて現在は感染症では死にづらくなっている。だけと運動量が低下し、現在のストレスが生命の危機と判断させて生命維持のためにウツ状態にしてる可能性もある。危機感は個人差があるので数値化するのも難しい。そして、ウツと正反対の事が全力疾走をするなどの運動が良いと最近は解って来たらしい。そして孤独はウツ以外にもガンなどの病気からの生還率も下げると最近はわかって来た。ウツからの脱却は孤独を無くす事かららしい、、無理2022/07/19
ロクシェ
135
評価【◎】快適に暮らせるはずの現代に、精神的な不調を訴える人が多い答えを探す本。『スマホ脳』『運動脳』に続き、同著者の本を読むのは3冊目。著者の十八番である「狩猟採集民時代から脳はほとんど変わっていない」という主張をもとに、うつやパニック、不安がどのように生まれるのかを考察している。脳は「幸せになるため」ではなく「生き延びるため」に進化してきた。「現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分」と聞くが、これだけ膨大な情報量を受け取り続けたら、精神的な不調につながるのも当然だなと感じた。2023/09/05