内容説明
高騰する化学肥料や、地球に負荷をかけない農業の在り方が注目される中で、過去70年の米国のオーガニックの歴史をまとめた。自然食品や有機農の虚像と実像、有機認証制度の発展や、反体制運動としてのオーガニック、アマゾンが買収した有機スーパーチェーンなど、農業者も、消費者もハッピーなオーガニックの在り方を描き、これからの日本の自然食の在り方を浮き彫りにするタイムリーな1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
owlsoul
9
ヘンリ―・D・ソローを始祖とするアメリカ「田舎暮らし崇拝」の思想は、40年代にJ・I・ロデイルという人物によって具体的な社会運動へと昇華する。ロデイルは自然を模した農法で作られた食品を「オーガニック」と呼び、その対極にある化学肥料や殺虫剤を批判した。1962年に出版されたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』はオーガニック運動を環境保護的なカウンターカルチャーと結び付け、世に広めた。しかし、オーガニック農法はその非効率さゆえに広大な土地を要し、逆に環境への負荷を高めるという指摘もある。選ぶべきは自然か、効率か2023/11/11
Jessica
4
過去70年のアメリカにおける社会運動としてのオーガニックの遍歴。 仕事柄必要だから読んだものの、人に理解させるという目的ではない書かれ方なのか、非常に分かりにくく、もう少しなんとかならなかったのかなというところ。 正直なところ、私は現在の飽食の時代におけるー方的な農薬悪玉論には反対。 慢性的な飢餓状態から、生産技術の改良、農薬・化学肥料・品種改良によって増産体制の確保、現在ようやく飽食の時代を経て健康志向になった流れを考えてみると、短絡的なオーガニック至上主義に少し疑問を抱いていました。2022/09/20
ゼロ投資大学
3
オーガニック食品が世界で受け入れられ、広まっていく過程が書かれている。2022/07/15
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/b1d252e2-17cf-4942-8866-675058445719 2025/07/02
Go Extreme
1
社会運動としてのオーガニック オーガニックは土に着目(1940~50年代): J・I・ロデイルの確信と戦略 ヘンリー・ソローと自給自足 オーガニック信者と懐疑派 『沈黙の春』・カウンターカルチャー→エコロジー運動(1960~70年代): レイチェル・カーソン『沈黙の春』 DDT→エコロジー ビジネスと社会運動(1970~80年代): 自営農家と農本主義 本物/軽薄─認証と慣習化(1990年代以後): 巨大企業の農業ビジネス参入 ビッグ・バッド・オーガニック─健康志向と商業化 美味しい革命─高級化と大衆化2022/07/02