内容説明
大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団〈恋謎会〉の面々が集まった。四年前、彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるが……。迷宮入りの連続殺人事件。大いなる謎に挑む、白熱の推理バトル!累計十万部突破!ロジックミステリの魔術師・西澤保彦の傑作!新たに「三十三年目の『あとがき』」を収録。〈解説〉唐木厚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
42
考察された推論の終着点が、まさかそこになるなんて。人は生まれながらにして全員役者だと誰もが納得する瞬間を目の当たりにしたのではないかと思う。4年前に起きた連続殺人事件。その唯一の生き残り、一礼比梢絵。未だ解決しないその事件で、彼女が最も望むのは「自分がなぜ犯人に襲われたのか」という理由を知ること。担当の刑事の紹介で、推理集団≪恋謎会≫の集会に参加し、各分野で活躍するメンバーの推理を聞くことに。隠された暗部、事件の真相、推理の信憑性、語り部たちの信頼度。犯行動機が明らかになった時、第2章が始まる。衝撃。2025/10/25
おうつき
25
新装版で再読。初めて読んだ西澤作品がこれで、かなりお気に入りの一冊。オチは覚えていたが、それに至るまでの過程をすっかり忘れていたので推理合戦を存分に楽しむことができた。多分このややこしい多重解決はきっとまた記憶から抜け落ちてしまうと思うのでまた数年経ったら読み返したいと思う。2022/09/17
りんご
10
無差別連続殺人事件に巻き込まれた被害者が、「なぜ自分が狙われなければならなかったのか」を解明するために推理小説家や警察OBの集まりに推理合戦を依頼する。推理合戦の中では犯人の行動や人間性、被害者の秘密等が突飛な推理によって明かされていく。事件の情報が一つ一つ明かされていくことで、推理の前提が変わっていくという構造が面白い。最後の真相まで読んだ後思い返してみると、読んでいるときに引っ掛かった描写に答えが与えられ、満足した。不満なことはタイトルも登場人物の名前も読みにくいこと。2025/01/24
ふなこ
6
追悼の意味で。面白かった!再読でも真相にはびっくりする。やっぱり西澤さんの書く推理合戦は面白く、お料理はとても美味しそう!新装版を買ったが、2022年のあとがきがあった。学生アリスに影響を受けたこと、自分が過去に書いた「聯愁」、そのネタを使用した3つのお話。ファンならあとがきだけでも価値があると思う。2025/11/14
あゆみ
6
★★★☆☆ あとがきにある【多層的推理合戦の果てに得たものは事件の解明ではなく新たな悲劇だった】が全て。 薄々 こいつが怪しい…と思ったら結果その通りで、蓋を開けたら一番ヤバイやつで、そこまでは予想出来なかった…!の意外性があった。 後半のスピードは早かったが、如何せん出てくる人物が全部難読で、なんて読むんだっけ?と戻って確認を何度もしてるうちに、途中から諦め適当に読んでいたところがある。 2022/09/22
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