文春e-book<br> N/A

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文春e-book
N/A

  • 著者名:年森瑛【著】
  • 価格 ¥1,400(本体¥1,273)
  • 文藝春秋(2022/06発売)
  • 盛夏を彩る!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~7/28)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163915623

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内容説明

選考会で異例の満場一致! 
第127回文學界新人賞受賞作

松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。

優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。

★★★

文學界新人賞・全選考委員激賞!!

ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵

安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀

本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。――金原ひとみ

世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有

満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則

主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

467
これが年森瑛のデビュー作で、第127回文学界新人賞を受賞している。第167回芥川賞候補となったが、こちらは選に漏れた。私は受賞した高瀬隼子の『おいしいごはんが食べられますように』よりも、こちらの『N/A』の方にむしろ斬新さと可能性を感じる。女子高生のリアルな日常が新しい文体で語られているからである。しかも、それは身体と精神とが不即不離の密接さで提示される。主人公のまどかはSNSに現れる自己が(他者もそうなのだが)一面にしか過ぎないことを知っている。そして、そうした一面から自身のイメージが固定されることに⇒2023/10/13

starbro

349
第167回芥川龍之介賞受賞作・候補作、第一弾(1/5)、漸く読み始められました。今のJKのリアル、少し「推し、燃ゆ」に似た雰囲気でした。 『N/A』というタイトルだから、もやっとしたエンディングなのでしょうか❓ 結果は、わかっていなくても、個人的に本書を芥川賞には推しません(笑) https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639156232022/08/01

ろくせい@やまもとかねよし

304
平均的ではない女子高校生が自己形成していく物語。自己形成に欠かせない利己。反する利他も必要だが、それは周囲と調和が不可欠。現代社会は人類の多様を可視化。多様は尊いと謳う学校。一方子どもたちに平等の名の下、平均の身体的生育を基準に。そして平均の精神的生育も基準だと用いる。思い遣りは、他人、友だち、恋人、血縁関係者で分けるべきだと。恋愛は異性間の身体・精神相互作用だと。彼女は欲す。混乱する利己を傷付けない他者からの利他、それに応じる自身の利他を。そして知り得たに違いない。分類できない利他から生じる思い遣りを。2022/07/02

いっち

204
主人公は、「かけがえのない他人」に憧れている。小学生のときに付き合った男子は、主人公が他の男子と話すと嫉妬を見せたので、別れた。主人公にとって「かけがえのない他人」は、友達、恋人、家族というヒエラルキーにはない。特別枠だから、独占も嫉妬も必要ない、何者にも代えがたい存在。女子高生になり、教育実習の女子大生と付き合うが、女子大生がSNSで主人公との日々を発信していた。女子大生はマイノリティの立場からの発信で同じ境遇の人を励ましていた。主人公は許せない。どちらの言い分もわかる論争なので、安易に結論が出せない。2022/06/18

R

191
タイトルと表紙の印象で理系学生の悲喜こもごもかと思ったら全く違った。LGBT的な話でもあるのだが、その軸ではなくいわゆる子供から大人への揺らぎを描いた小説だったと思う。自分が何か確定していない、その不安定さが繊細な思春期よりもやや後のそれこれとして丁寧に描かれていてよかった。リアルなのかわからんが、最近の子っぽい会話文の軽妙さも面白くて、だからこそ友人たちとの微妙な意識差というか、気遣いや機微が幼く、手に取るように見えるのがよかった。いい青春小説だったと思う。2022/10/13

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