内容説明
もう「中身がない」とは言わせない!
互いに関連し合うストーリーの「三大要素」最後のピース、テーマについて徹底的に掘り下げたありそうでなかった執筆指南書。
小説、映画、マンガ、演劇、ゲーム、アニメーション……あらゆる物語が輝き出す。
プロットとキャラクターを一生懸命に考える人は多いのに、テーマが置き去りにされがちなのはとても残念なことです。
これまでテーマは、その創作法を習得することはもちろん、深化させるためにどう語ればいいのかさえ難しいと考えられてきました。しかしテーマがストーリーにおいてどのような機能を持ち、プロットやキャラクターにどのような相互作用を及ぼすのかを理解することができれば、「テーマとは曖昧なものだ」という考えと決別することができます。
テーマとは、ストーリーに統一性をもたらす着想や題材であるためプロットやキャラクターはテーマと無関係ではありません。テーマが定まっていないストーリーでは「プロットとキャラクターはいいけど、ストーリーとしては駄作」と言われるのがオチですが、優れたストーリーではこれらの三大要素が一体となって共生しています。
本書はテーマの役割や機能について、プロットやキャラクターとの関係についてじっくりと解説しています。小説や映画だけでなく、マンガやゲーム、アニメーションなど、さまざまなジャンルにおいて自分で意識的にテーマを構築できるようになる、ありそうでなかった実践的創作術です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
12
図書館本。なんとなく目について読んでみたけど、どちらかというと小説や漫画よりも映画を意識した「創作」だと思う。テーマ、キャラ、プロットの組み合わせで物語を進めていくべし、とのこと。ちょっと難しかったのと、なんかアメリカの映画だよな、という感じで、私の主戦場(日本のエンタメ小説)とは違うところが多いような2022/03/21
るね
3
「創作テーマとはこう設定する!」というより、創作する以上キャラクターやプロットも密接に関わってくるので、それらを総合してどのように深みのあるストーリーをつくるか?というような感じだった。物語創作のための教科書って感じする。悪い例も具体的に載ってて居た堪れなかったがそれはそれで観てみたくはなった。2022/05/25
あけづき
3
私が書きたかったのはこういう物語だったんだ、と感じさせてくれた。テーマを出発点に、プロットやシーン、キャラクターを編み上げていく。豊富な例があるが、古典的名作から近年のエンタメまで幅広く扱ってくれておりわかりやすい。問うべきは何か、を示してくれるので実践的。同シリーズでは初見でしたが、他の著書も読んでみようと思います(筆者の小説そのものもいずれ…)2022/01/23
夕顔
3
良書です。本シリーズは全て購入していますが、今回のもとてもわかりやすく、役立つ内容ばかりでした。本シリーズが他のハウツー本と違うのはどれも実践的であるということ。特に今回の「テーマ」を扱っているハウツー本はそもそも少なく、あっても概念や抽象的な内容ばかりですが、本書はテーマを具体的にどう作品に落とし込めばいいか、どう大切なのかをわかりやすく書いてくれています。翻訳も読みやすく、人におすすめしたい反面、正直あまり有名になってほしくないくらいです(ライバルが増えるという意味で)。2022/01/03
アイララ
1
この本はある意味、ストラクチャーから書く物語再入門の第二巻と言っても過言ではない。あくまで前作からステップアップする為に読むべき本と言った方がよく。テーマという扱い辛い物をどうやってプロットに組み込むか教えてくれるが、そもそものプロットの作り方が軽くしか触れられていない。それが悪いとは言わないが、これだけを読んで全てを理解するのは難しいだろう。2023/11/20