内容説明
絶海の孤島
稀少な動植物の楽園
――島を脅かす人間こそ外来種なのか
楽園の島に閉じこめられた調査団を襲う惨劇――
本土よりはるか南方の《東硫黄島》。この小さな無人島は四方を海に囲まれ独自の生態系を形づくっていた。学芸員の蜂須賀をはじめとする調査団が組織され、島の生態系をと生き物たち調査することになった。外来生物の持ち込みを防ぐために厳重な準備と防護のもと、島に上陸を果たす。しかし、到着後まもなく調査団のひとりが殺されてしまう。口の中に外来植物の種子を詰め込まれたおぞましい遺体に、疑心暗鬼になっていく調査団のメンバー。調査船とも連絡が取れなくなり、ボートも使用不能に。島から脱出できない中、第二の殺人が起こってしまう――
緒賀岳志・装画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
75
小笠原諸島の無人島での調査団内で起きる殺人事件というクローズドサークル物。固形種や外来種、生態系等あまり知らない分野だったが分かりやすい文章で理解しやすかった。 メンバーの中に犯人がいるはずなのに予想がつかず楽しめました。それにしても犯人がそこまで自白する!?2022/01/11
オーウェン
66
生態系の調査のため派遣された一団が東硫黄島に出向く。 珍しい昆虫や植物がいるが、その場所で殺人が起き死体にはなぜか外来植物の種子が詰め込まれていた。 孤島の島ということでクローズドサークルが完成し、その中で残された人間たちの中で誰が犯人なのか。 規模としては小さいが、この作品は稀少な動植物の知識から、生態系に及ぼす危機にまで言及している。 この蘊蓄が案外楽しいが、それに比べてトリックにかかわりが薄いのは勿体ない気が。 犯人の動機も案外分かり易いというか単純というか。2022/02/18
えみ
65
その異様な振舞いはまるで激しい狂舞。楽園という舞台で正気を失ったまま己の理想の為に舞う、狂舞を覗いてしまったような悍ましさだった。楽園で見る地獄は本当に恐ろしい。稀少な動植物が生息する楽園であったはずの島で調査団が襲われた⁉誰が、何の為に?一体どうやって…。わかっているのはそこには絶望しかない、ということ。その島では外来種も同等な人命は病葉以下の価値しかないのだから。孤島での殺人事件に固有の生物が残る島での外来種問題、そして鬩ぎ合う人間の思惑。楽園に魅せられた調査団の地獄に魅せられた私。徹底的に楽しんだ!2021/12/28
うまる
52
展開自体は孤島ものの定番という感じですが、近くに乗ってきた船とその乗員がいるっていうのが面白かったです。ある人物の活躍も含めて。船側の描写もあったら、もう少しスリルあったかなと思います。 希少動植物の話を盛り込んでるのは楽しかったです。これはデビュー作に通じる所がありますね。常人には理解し難いイカれた動機なのと、犯人以外も島を守りたいのか壊したいのかわからない行動があるのが難点かな。そんなこんなで、結局一番いらないのは人間って事なのかもしれない。帯が正しかった!2022/03/12
あっちゃん
46
クローズドサークルものという事で(笑)登場人物の人数や立ち位置なんかは丁度よくて読みやすい!でもちょっと盛り上がりに欠けて、ただ日数がたってラストになったという感じ、主人公が犯人扱いされるのもずっとだと可哀想( ̄▽ ̄)2023/06/15
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