ちくまプリマー新書<br> 私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

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ちくまプリマー新書
私たちはどう学んでいるのか ――創発から見る認知の変化

  • 著者名:鈴木宏昭【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684318

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内容説明

教育現場ではこれまでのイメージから、間違った学習観が広まっている。その弊害をなくすために、認知科学の視点から「学び」の実態を科学的に明らかにする。

目次

はじめに
第1章 能力という虚構
1 アブダクションから生まれた「能力」概念
2 能力のメタファー的理解
3 能「力」というメタファーが生み出すイメージ
4 論理的思考力は安定しているのか
5 数学的思考力の文脈依存性
6 多様性、揺らぎ、文脈依存性が意味すること
参考にした文献、お勧めの文献
第2章 知識は構築される
1 知識は伝わらない
2 知識の3つの性質
3 知識の構成主義
4 身体化された知識とシミュレーション
5 コトバによる伝達がうまくいかない理由
6 状況のリソース
7 モノ的知識観からコト的知識観へ
参考にした文献、お勧めの文献
第3章 上達する──練習による認知的変化
1 上達と練習
2 練習のベキ乗則
3 練習によって何が変わるのか──マクロ化と並列化
4 スキルとその実行環境
5 プラトー、後退、スパート
6 スランプの中の揺らぎ
7 まとめ──多様性、揺らぎ、創発
参考にした文献、お勧めの文献
第4章 育つ──発達による認知的変化
1 発達とは
2 発達段階
3 子供は本当に別世界の住人なのか
4 複数の認知的リソース
5 同時並列的活性化
6 揺らぎと発達
7 環境と発達
8 まとめ──発達も冗長性と揺らぎの中で生み出される
参考にした文献、お勧めの文献
第5章 ひらめく──洞察による認知的変化
1 ひらめきとは
2 ひらめきはどう研究されてきたか
3 制約緩和としてのひらめき
4 制約緩和における多様性と評価
5 ボンクラな意識、働き者の無意識
6 環境との相互作用
7 メタ学習──ひらめきやすい頭になる
8 まとめ──冗長性と揺らぎがひらめきを生み出す
参考にした文献、お勧めの文献
第6章 教育をどう考えるか
1 素朴教育理論
2 学校教育経験由来の誤った素朴教育理論
3 近接項としての兆候、遠隔項としての原因
4 徒弟制から学ぶ
5 2つの模倣とアブダクション
6 学びを支える動機、そして教師とは
7 まとめと注意
参考にした文献、お勧めの文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

81
学ぶことに関心のある方は、手に取って、とても意味があると思う。ここ数年の流行りでもあるが、気づきと学びという二つの言葉がある。この違いとも関連するのではないかと思う。リアルとバーチャールの違い、知識と知恵の違いも考えながら読み進めた。教えると見させるの違いでもある。自分自身の考え方として、広く、いろいろなものを知ることに、大きな意義を感じているので、背中を押された気分だ。2022/09/07

榊原 香織

73
最初は、プリマーにしては難しすぎる、けど最後はかなりくだけてきていた。 ひらめきの身体性、て言うのは面白いね。 腕を大きく振り回しながら考えるグループと小さく回しながらのグループだと、前者の方がひらめきが大きいのが実験ではっきり2022/10/17

morinokazedayori

31
★★★★★知識の獲得、上達、発達、ひらめきのメカニズムやプロセスが語られ、教育や教師の役割について論じられている。人が成長する仕組みに興味があったため、こういうことだったのかとたくさんの発見があった。が、まだ「身体化」されるほどには「認知の変化」が起こっていない。再読し、他の角度からも理解を深めたい。2022/08/11

りょうみや

30
知識の構築、上達、発達、ひらめきなどの一見距離を感じる概念を創発という観点から関連して語っている。ちくまプリマー新書らしく分かりやすくそれでいて深い内容。関連図書の解説が豊富で読みたいと思える本が一気に増えた。2022/07/28

ta_chanko

27
練習によるスキルの上達。はじめは順調に上達していくが、やがてスランプに陥り、しばらく停滞する「プラトー期」に入る。その後、他の方法を試す中で「後退期」に入り、一旦上達から遠ざかる。それを乗り越えると、ブレークスルーがおこり「スパート期」に入って一気に上達が進む。これは既存のシステムを造り替えないと質的な上達にはつながらないことを意味する。何かを極めるためには、一度下手になることも覚悟して、新たな方法を模索しなければならない。生涯スクラップ&ビルド。2023/11/29

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