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内容説明
国民をテレビの前に集合させた男たち
視聴率五〇%を超えた「全員集合」はどのようにして生まれたのか。ザ・ドリフターズを気鋭の論者が舞台・演劇の視点から読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
136
彼らの「8時だよ、全員集合」は私の住んでいる田舎テレビ局では放送されていなかった。リアルでは見ていない。他の番組でいろいろなギャグを見て育った。当時の親(私の親)も含めて彼らのギャグはふざけすぎているという捉え方が大きかったのではないかと思う。クレージー・キャッツはその点スマートで洗練されていたと思う。ドリフメンバーの生い立ちやドリフのメンバーになった経歴が詳しい。レッキとしたミュージシャン経ちだ。彼らの芸名をつけたのはクレージーのハナ肇だとは知らなかった。残るメンバーも皆高齢。寂しいなあ。図書館本2022/07/05
fwhd8325
101
荒井注に代わって志村けんが加入したときのことはよく覚えています。とにかく、若い人が加入したことが強烈だった。クレイジーキャッツもそうだけど、テレビで活躍している人はみんな大人だった。そこにこの若い人が加入して大丈夫なのかと心配になったことを覚えています。それは杞憂だったのだが、志村けんが本当に活躍したのはドリフから離れてからだと思います。ここまでドリフを語った作品は初めてで、とても新鮮で、面白く読みました。この時代のことはもっと感想は語ることができるけれど、制限があるのでここまで。2022/09/21
へくとぱすかる
92
ドリフは何よりもバンドであり、『全員集合』は最も成功した演劇。その主張は読めば納得できる。あの伝説の番組は、何度も危機を乗り越えながら16年続き、歳月を経た今もドリフは存続している。5人になる以前、全くメンバーの異なる時代のドリフターズから話が始まり、メンバーの個人史と、日本の戦後史がからんでいく。『全員集合』そのものは、今や配信やDVDで鑑賞できるようになっているが、子どもから大人まで同じ時間を共有して楽しめる世界は、もはや過去のものになってしまっている。その時代の記憶は、今こそ残しておくべきだろう。2022/06/28
kokada_jnet
88
79年生まれの著者による喜劇史の空白を埋める、大力作評伝で、読み応えはあった。ただ自分の個人体験では、「全員集合」での前半の巨大なギミックセットを使った、肉体的な笑いはまだしも好きだったが。ボーヤから昇格した、志村の言語的ギャグが幼稚でうけつけられなかった。最終章での志村神話化にも、のれなかった(志村の性的ギャグは、本当に黒人音楽に影響うけているのかね)。最近、「志村の素を物まねする」芸人レッツゴーよしまささんが面白かったので、志村のコントをYoutubeで見てみたが、やはり自分にはあわないギャグだった。2023/06/28
ma-bo
78
著者がはじめにで触れている様に、第三者によってドリフが本格的に論じられたことはないとの事。確かにそうかも。定期的に「ドリフ大爆笑」で見ることはあっても、5人が揃った「8時だョ!全員集合」が終わったのは確か私が小学生の時だったと思う。各メンバーの生い立ちから、メンバーになった経過、全員集合の立ち上げから全盛期、終焉。いかりやさんと志村さんを主としたメンバーとの関係性。様々な資料等を調べながら単なる事実を並べるだけでなく、6人(荒井注さん含め)の群像劇となっている。著者は40歳前半。良く調べたなあ。2022/07/29