鉄道会社はどう生き残るか

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鉄道会社はどう生き残るか

  • 著者名:佐藤信之
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • PHP研究所(2022/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569852508

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内容説明

2020年からのコロナ禍によって、都市部でも地方でも、鉄道の通勤・通学需要や観光需要が激減し、鉄道会社の経営は大打撃を受けた。コロナ禍が終息しても、少子高齢化が続く限り、通勤・通学需要は減る一方だ。すでにローカル線の経営状況はかなり厳しく、バスへの転換も進んでいる。しかし、バスへの転換は、交通弱者の外出の機会を減らしたり、自家用車の利用を増やして環境への負荷が増えたりするなど、デメリットも多い。一方、成田・羽田・関空といった国際空港へのアクセス線の新設や西九州新幹線の開業、北海道新幹線や北陸新幹線の延伸、リニア中央新幹線の建設をはじめ、路線の新設・延伸の計画も数多くある。ローカル線はどうすれば維持できるのか? あらたな路線は日本経済の起爆剤となるのか? また、鉄道を活用したあらたなビジネスに、各社はどのように取り組んでいるのか? さまざまな視点から考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

120
最近、コロナの影響で一段と収支が悪化した地方ローカル線の話題をよく目にする。人口減少、リモートワークなど、鉄道会社を取り巻く経営環境は厳しさを増すが、政府は需給調整規制を諦めて、鉄道事業者の自主的経営判断を尊重するという姿勢。むしろ、公益的な外部経済性の効果を適正に算定し、堂々と公的支援を与えうる社会的合意形成が必要かも知れない。最終章で、日本の鉄道会社を支える経営戦略は「小林一三モデル」という結論にガクッとなる。流石に時代が違うだろう。MaaSを踏まえた新たなビジネスモデルへの提言が一切ないのは残念だ。2022/08/23

きみたけ

65
著者は亜細亜大学講師で一般社団法人交通環境整備ネットワーク相談役の佐藤信之先生。人口減少によって経営の悪化が確実視されていた鉄道事業、コロナ禍によって大きな追い打ちを受けた鉄道会社が生き残る道を探った一冊。新型コロナの衝撃の乗り越えかた、大都市圏の鉄道網拡張計画の数々、日本の鉄道会社を支える「小林一三モデル」の紹介など。いつか四季島やトワイライトEXに乗ってみたいですね、高いけど😅 昔、長男がまだ幼稚園児のころに大宮の鉄道博物館に行って、すぐ横を通過する新幹線に大喜びしていた頃を懐かしく思い出しました。2022/12/08

おいしゃん

31
章立てが風呂敷を広げすぎ、散漫。内容も、ニュースや条文、歴史などをひたすら切り抜いて貼り付けたような感じで、筆者の考察や主張は見当たらず。業界人として読んでおこうと手に取るも、目新しいトピックもなし。2022/06/23

あきあかね

20
 人口減少の進展や昨今のコロナ禍で鉄道会社の経営の厳しさが増す中、これまで都市部の路線の黒字によって補填していた地方部の路線の赤字を賄いきれなくなり、廃線やバス転換も含めた地方路線のあり方の検討が焦眉の急となっている。 本書は様々な地方鉄道の活性化の取組や都市部の新線整備の計画、大規模開発等の鉄道事業以外のビジネス、ヨーロッパの鉄道支援の事例といった様々な切り口から豊富な事例を紹介している。 全国津々浦々の道路整備と便利な自家用車の普及、駅前ではなくロードサイド中心の店舗進出という構造が続く中では、⇒2023/05/07

Francis

18
他のレビューにある通りでコロナ禍で苦境にある鉄道会社の現状を述べている部分が多く提言が少ない。もっとも川島令三氏よりはマシかもしれない。著者の佐藤さんは書いてないが、欧州の上下分離は鉄道施設を公的所有に移すことで公有の道路上を走る自動車との競争条件を平等にする、と言う理念の下に行われたはず。欧州のようにもっと公的支援を行うべきである、と佐藤さんは本当のことを言いたくても膨大な財政赤字そして租税忌避意識の強い日本では無理だとあきらめてこのような記述になってしまったのか、と好意的に解釈しておきます(^-^)2022/07/18

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