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内容説明
国際情勢を深層から動かしてきた「民族」と「文明」、その歴史からどんな未来が予測可能か?
ロシアの征服欲、中国の横暴、朝鮮半島の不穏。
力と力がせめぎ合う中で、世界史のベストセラー著者が、日本の生きる道を見出す!
中国とインドの台頭は、多くのビジネスパーソンにとってアジアの歴史や文化に関する基本的な知識を必須の教養にしている。とはいえ、これまで私たちが学校などで教えられてきたアジア史の多くは「中華帝国」とその周辺の「衛星諸国」との関係史だった。しかし、考古学や遺伝子学も含めた近年の学術研究の進歩は、このような画一的な史観に対して再考を求めている。
本書は最新の研究成果を幅広く引用しながら、日本人の源流、中国の歴史的野心、中国・韓国の歴史論争、中国・インドの文明闘争、ギリシアの東方遠征など、さまざまな視点から「大アジア」の歴史と文明を描き出す。「民族」と「文明」でアジア史を読み解くことで、これからも問題となり続ける日中、日韓、中韓、中台の複雑な対立関係の深層がクリアに見えてくる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
88
著者の本は初めて。不勉強でお名前も存じ上げてなかった。中国周辺など、あまり馴染みのなかった国々のことが知れそうで読み始めたが、広い範囲を次から次へと薄く取り上げ、継ぎ合わせてる感じがした。やたら定説を否定しているが、根拠への言及など十分でない説明が多く、こちらは門外漢なので何とも言えないが、鵜呑みには出来ないなと思った。前半の中国とその周辺はともかくインドや中央アジアなど遠方になると話の展開が早くて目が回りそうになった。巻末に数多くの参考文献が挙げてあり、最近出版された新書や翻訳書が多いので、⇒2023/08/05
ta_chanko
18
漢民族=中華は虚構。北方遊牧民に支配されることのほうが多かった。黄河文明=四大文明も虚構。日本に稲作をもたらした長江文明の存在も大きかった。日本人の二重構造説も虚構。縄文系(沖縄ルート)・弥生系(対馬ルート)以外にも、サハリン経由の北海道ルート・東シナ海経由の九州ルートも存在し、それらの混成民族が日本人。日本国は任那(朝鮮南部)から撤退したことで成立。チベット文明やインド文明の影響力も大きく、前者はモンゴル~ブータン・雲南まで、後者はインドシナ半島~インドネシアにまで及ぶ。中華文明はベトナム北部まで。2022/08/14
KAN
15
日本史と世界史~世界史といっても欧米史が中心であり、アジアといっても中国史が主でとくに中東、インド、東南アジアについてはその民族、文化の多様性から教科書にはしにくいのかもしれないけれど、日本とのかかわりもかなり深い。仏教、イスラム文化圏はもっともっと知っておくべき内容なのかもしれないと思う。2022/11/28
fseigojp
13
東南アジアがインド文明圏 中央アジアではイランが大国 いろいろ知らないことばかり2023/05/28
みのくま
6
本書で描かれる中国史は杉山正明の著作を極端にした感じであり、話半分に聞いておいた方が良いだろう。ただ、長江文明や任那については勉強したいと思っていたので少し参考になった。本書は中国や韓国の歴史認識への反論という動機が強く少々うんざりするが、逆になぜこんなに東アジアは歴史戦を繰り広げなければならないのだろうか。本書を読んでいても、日中韓で共通の歴史観は絶対に合意できないだろうという気がしてならない。factを提示するだけでもバイアスはかかるので、共通の歴史認識は合意できないという諦めが重要なのかもしれない。2024/03/07
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