内容説明
大学教授兼実録小説家の稲本浩三は、未解決の中里信治・美絵夫婦失踪事件を題材にした作品の取材を進めていた。事件の経過と残された謎を追う中、稲本は美絵がマルチ商法に関係していたことを知り、驚く。彼もまた類似のビジネスの罠に嵌まった苦い過去を有していたのだ。奇しくも勤務先の学内では悪質なネットワークビジネスが流行。この符合ははたして偶然なのか? ひたひたと恐怖が迫る圧巻のクライム・フィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
41
主人公の大学教授兼作家が読書メーター(みたいなところ)を常時チェックしていて、その賛否が半々というのが面白かったw実際そんな感じですよね。おまけに主人公に言い寄ってくるような卒業生や在校生は、主人公を異性として意識しているんじゃなくて別に目的があることと、それに主人公は気づかずに一度ならずも二度も鼻の下をのばすところもなんかこの主人公が前川さんの投影なら自虐的だなぁとおもいました。事件は、気持ち悪かったです。それから不明点のおおいところもスッキリいかない感じです。まぁ、現実の事件はそうなのかもしれません。2024/02/09
rosetta
29
★★★✮☆この不思議なタイトルはホロホロ鳥のこと。10年前の一家失踪事件を追う、大学教授でありドキュメント作家の稲本。そして今も新たな殺人事件やオウムの様な弁護士誘拐殺人が発生し、それは10年前の事件とも繋がりがあると思われる。カルト化した宗教団体が仕掛けるネットビジネス。幾つもの未解決事件を繋げ合わせて再構成したような小説。コロナの影が登場人物の行動を制限するのって本当に現実同様うっとおしい!真犯人の正体を含めて分かりやすいミステリーに仕上がっている。2022/07/18
のりすけ
24
キャラが立っていないのか自分の記憶力の衰えがひどくなったのか「あんた誰やったっけ?」が多くてちょっと読むのに難航。内容はそこそこエグいとは思うのですが如何せん淡々としすぎてて、あ、そうなんだ…な…。2022/12/13
hushi亜子
17
前川さんの好きな女性のタイプなのか、いつも出てくる女性には一貫性があってそこもなんか怖いが。 教授と学生というのも好きだなぁ。 でも素人の教授なんだから危険なところに行ってはダメさ。 ギニーファウル、ほろほろ鳥ね。2024/01/07
みいやん
10
大学教授で小説家でもある主人公は未解決事件のドキュメンタリー小説を描こうと試み、さらにマルチ商法とカルトの団体がらみの事件にも巻きこまれて…全体な不穏な空気は作者の持ち味なのだろうが、う〜ん、おもしろかったか?と言うと??2022/08/01