内容説明
記憶を失ったまま生きる一人の女性、その波乱の人生をとおして記憶と忘却の意味を問いかける重層的かつ壮大な物語。コロナ禍のドキュメント『武漢日記』の著者による傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
30
途中で断念。だらりとした展開と中国の人名の馴染みの無さから途中誰が誰だか分からなくなる。相関図を書こうかと思ったけど気分が下降。こんな状態では妻が読む「三体」には苦しめられるだろう。とりあえずこの本にそこまで時間は割けない。ここまで。最後まで読んでない私に内容を語る資格無し。評価は自重。2022/07/09
yutan2278
19
1952年、「土地改革」が急進する中国で、一人の女が急流の中から瀕死の状態で救出された。女はすべての記憶を失っていた。数年後、命を救った軍医に再会して結婚した…。 中国共産党の黒歴史に触れる部分があるためか、現在では発禁処分になっているようです。大学で中国共産党について学んできたため、さもありなんという感じ。 一読の価値はある作品です。2023/01/21
Mana
4
青林の母・黛雲はかつて川に流されているのを助けられ記憶喪失になっていた過去を持つ。ある日意識を失った後、彼女の魂が漂うのは記憶喪失となる前の共産党革命の頃。中国の革命時代の話はこれまでにもいくつか読んできたので、黛雲の身に降りかかることもなんとなく想像されて背筋が寒くなりながら止まらずにどんどん頁をめくっていった。 この土地開放により地主階級の人々に起きたことはあまりにもむごいが、では彼らが100%無辜の被害者なのかといえば決してそうではないということもまた黛雲を通して描かれている。2022/07/25
藤原博文
0
武漢日記で当局から批判された方方の柩のない埋葬を読み、共通の作家魂を感じた。2022/10/17