岩波ジュニア新書<br> 〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ

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岩波ジュニア新書
〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ

  • 著者名:佐藤和哉
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 岩波書店(2022/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005009473

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内容説明

ロビンソン,アリス,プーさんにナルニア……おなじみの名作たちは,本当は何を語っている? 「作者の言いたかったこと」と同じくらい,「作者が言おうとしたわけではないこと」もおしゃべりかもしれない.本のページは冒険の扉,言葉や文は未知の森.あの物語を「いま」のあなたが読む意味とおもしろさ,体験してみませんか.

目次

はじめに
第1章 マザー・グース 「子ども」の発見と「笑い」への招待
〈コラム〉マザー・グースの翻訳について
第2章 『ロビンソン・クルーソー』 奴隷の海とヤギの島
〈コラム〉『ロビンソン・クルーソー』の影響を受けた作品
第3章 『クリスマス・キャロル』 クリスマスの音色と社会の不正義
〈コラム〉何を食べるか,誰と食べるか
第4章 『不思議の国のアリス』 ウサギの時間と帽子屋の時間
〈コラム〉『アリス』にみるアジア
第5章 『クマのプーさん』 ぬいぐるみのクマと戦場の「穴」
〈コラム〉クリストファー・ロビンの島
第6章 『ライオンと魔女』 善なる子どもたちとさすらう獣
〈コラム〉『ライオンと魔女』のユーモア
第7章 『第九軍団のワシ』 壊れた夢の修復と「故郷」の発見
〈コラム〉「帝国」を支える装置としての言語
ブックガイド
翻訳に使った原書
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

69
大好きな”ライオンと魔女”、1950年出版とは知らなかった。原爆以後じゃないですか。まったくその影響は感じられない。もっと前の先品かと。 ”第九軍団のワシ”はこれから原書で読む予定。2022/06/26

takka@ゲーム×読書×映画×音楽

15
普段読まない海外文学を解説してくれる入門書だと思って購入。内容はまさしくそのとおりで、イギリスの児童文学9作品を扱っている。不思議の国のアリスやクマのプーさん、クリスマスキャロルなど有名ではあるが、意外と読んだことのある人は少ないのではないだろうか。著者はその作品の紹介だけでなく、いわゆる国語のテスト問題の王道の「作者の気持ちを答えよ」的な読み方を超えた読み方を提案する。自分もこの本を機に、海外文学に触れてみようと思う。また、文学作品の読み方や文学と歴史に関する本のブックガイドもついているのもありがたい。2022/05/03

ムーミン2号

14
次のイギリス児童文学を通して、<読む>ことは作者が何を言おうとしているかの「解答」を出すことばかりじゃないよ、ということが平明に、時に鋭く語られている。「マザー・グース」「ロビンソン・クルーソー」「クリスマス・キャロル」「不思議の国のアリス」「クマのプーさん」「ライオンと魔女」「第九軍団のワシ」の7作品。その作品がどのように語られているか、どのような時代背景があるのか、そして、これから生きていく社会の中で、それらの作品とその読み方がどういう意味を持つのか、について考えようよ! と冒険を促す。2022/03/02

gecko

7
イギリス児童文学の7つの名作を取り上げ、「作者の意図を探す」のとはひと味違う読みかたを提案する一冊。物語の語られかたをはじめ、作品のおかれた歴史的背景やイデオロギー、過去の作品を「今」読むことの意味といった観点から読む。『ロビンソン・クルーソー』の語りと奴隷貿易の実態、『クリスマス・キャロル』と児童労働のイギリス、『不思議の国のアリス』にみる産業革命と時間、『クマのプーさん』と第一次世界大戦など、文学と歴史の関わりを考えるものが多く、興味深く読めた。ジュニア新書なので読みやすく、ブックガイドも参考になる。2023/03/30

メイロング

7
大学の選択科目みたいな印象。「来週までに第九軍団のワシ読んできて」言われたら大変だけど。ジュニア新書のメイン読者層はこんな裏設定に興味を持つほど本を読み込んでいるのか。本自体はすごくおもしろい。でもこの内容、岩波新書でも大丈夫だったのでは。2022/04/22

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