NHK出版新書<br> 『パンセ』で極める人間学

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NHK出版新書
『パンセ』で極める人間学

  • 著者名:鹿島茂
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • NHK出版(2022/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140886779

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内容説明

ヘーゲル、ニーチェ、ハイデガーよりも、パスカルこそが役に立つ!

100分de名著でもおなじみ、博覧強記の作家・フランス文学者の鹿島茂が、「自我と幸福追求を試みた最初の書」として絶賛する西洋哲学の古典『パンセ』。本書では、「キリスト護教論」を目的として書かれた『パンセ』の中から、現代人にとって切実かつ魅力的な部分を抽出し、著者が訳と解説を施すことで、パスカル×鹿島茂の新たな箴言集、いわば『パンセ 人間学篇』を編み直す。著者は「現代人が『パンセ』を読んだことがないのは、もったいないどころか大きな損失である」と語る。読者が、パスカルの思想に触れながら、人間の二大苦悩である「自我」と「幸福追求」について、自らの答えに行き着くよういざなう、究極の哲学ガイドである。


<目次>
第1章 ようこそ、『パンセ』の人間学へ/第2章 人は気晴らしなしでは生きられない/第3章 すべては「ドーダ」で理解できる/第4章 とにかく自分のことが好き!/第5章 人間は奇妙なオルガンである/第6章 人は変わる? 変わらない?/第7章 人間は習慣によってつくられる/第8章 オネットムと言われるようになれ/第9章 想像力って素晴らしい!/第10章 現在に安住できないのはなぜ?/第11章 「正義」ってなんだろう?/第12章 人間は惨めで偉大な存在である/第13章 人間は考える一本の葦である/第14章 だから神は存在する

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

112
人の心の動きについて『パンセ』は様々な指針を与えてくれるが、読むだけでは理解できない部分も多い。まして書かれた時代とは全てが異なる日本人にはどんな意味を持つのか、鹿島さんは現代の状況に引きつけて解説していく。トランプが熱狂的に支持されるのか、統一教会に身も心も捧げて悔いない人が出てくるのか、自分の部屋に引きこもって外の世界を拒絶するのか。日々報道されながら理由がわからない「なぜ」について、幸福と自己愛を追求する人のあり方を分析したパスカルの言葉から見えてくる。力ある正義が正しいとは、説得力でも同じなのだ。2022/09/04

さきん

27
哲学専用用語は少ないが、思索が少しずつズレていくので、一つの結論がなく、読み難いパンセ。何もしないでいることがキツくて人は働いたり、何か行動して幸福を感じようと欲求するもそれが満たされることはない。だが、一方で不登校や退職して、社会との接点を失くし、実家に安住するニートもいる。パスカルは彼らをどう考えるのだろう。2024/12/18

ろべると

11
パスカルの「パンセ」の名前は知っていたが、有名な「人間は考える葦である」の出典がこれで、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら」もここから来ており、さらにパスカルの原理や圧力の国際単位であるパスカル(Pa)の人だとは知らなかった。ダヴィンチのような人だ。三十代で世を去ったため未完ではあるが、深い省察による言葉の重みが感じられる。人間は完全な休息には耐えられず、仕事を含む「気晴らし」なしでは生きられないとする一方で、楽しい気晴らしに追われて自己を考えないと、気がついた時には死が迫っていると言う。心せねば。2022/08/05

mikio

9
なぜわたしを殺すのですか?ーだって、あなたは川の向こう側に住んでいるのではないのですか?友よ、もしあなたが川のこちら側に住んでいるのだったら、わたしは殺人者となるでしょう。そして、こんなふうにあなたを殺すのは正しくないことになる。だが、あなたは川の向こう側に住んでいるのだから、わたしは勇者となり、そして、わたしの殺人は正しいということになるのです。(断章二九三)人間は卑小であるが、同時に考えるために創られた存在であるという点で偉大であると主張するパスカル。あらためて人間てなんなんだって考えさせられる。2023/10/22

リットン

9
難しい言葉ではないけど、なんか何言ってるかわからなくてパラパラ読もうとすると、何の話だったかわからなくなる。パスカルの人間観が少しわかって、そういう見方もあるのだなぁと感じる。パスカルの残した断片を、紡ぎ直しながらパスカルの思想に迫ろうとする学問なのであって、「パスカルの思想」として確固たるものがあるわけでもなく、解釈の余地があるというのは面白いなと思った2022/08/17

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