新潮文庫<br> 昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

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新潮文庫
昆虫学者はやめられない(新潮文庫)

  • 著者名:小松貴【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2022/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101041216

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内容説明

もしかして、ものすごい新種を見つけてしまったのでは!? 大雪の山だろうと激流の川だろうと、私はひたすら突き進む。そこに虫がいる限り――。チョウやカブトムシばかりが昆虫ではない。“化学兵器”を搭載したゴミムシ、集団行動により最強の生物となったアリ、メスにプレゼントを贈るクモなど身近にいる虫たちの驚きの秘密を「南方熊楠の再来?」と注目される気鋭の学者が軽快に解き明かす。(解説・ヤマザキマリ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

247
知りたい欲求に愚直に従う。斯く在りたき。昆虫(を筆頭に生き物)に対する愛情が溢れていますね。でもね、せんせーがいくらこの昆虫が美しい、素晴らしいと熱弁を振るっても、儂には全然響かないと言うね。ごめんなさい。特に昆虫類苦手。昆虫採集沼(?)には絶対に嵌りませんし。でも昆虫の生態は関心があります。環境の問題は心を痛めますね。時折思うの。昆虫ってさ、精巧なロボットじゃないかと。触覚や複眼などの感覚器官からの入力を、デジタルに処理して行動に反映させているんじゃないかとね。その辺りせんせーの見解なんかお訊きしたい。2023/06/23

さつき

84
以前は、虫はどこにでもいて気をつけても侵入してくるし厄介な存在としか思ってませんでしたが、子供のおかげで最近はずいぶん興味を持つようになりました。口絵のハンミョウとニシキキンカメムシは見たことがありますが本当に綺麗。他にはどんな奇妙な虫の話しが読めるかな?と期待して手に取りました。聞いた事もないような珍奇な虫、その虫達を見つけるために著者がした苦労などびっくりするエピソード満載で楽しく読みました。極寒の夜の山や、崩れそうな洞窟の中など常人には耐えられない環境に何度も赴く熱意がすごいです。2022/07/10

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

74
子供の頃からと言うよりかなり大きくなってからも昆虫少年だった私にとっては昆虫学者って言うのは憧れの職業ではあった。でも現実は厳しくて筆者曰く「昆虫学者は職業ではなく生き方」なのだそうだ。そりゃあ世の中の何処に役に立つかわからない虫の研究に科研費をつけるのは大変だよねえ。美しい蝶や立派な顎を持つクワガタの話ではなく、洞窟の隙間でひっそりと暮らすメクラチビゴミムシやアリの巣の中にちゃっかり居候するアリヅカコオロギなどマイナーな昆虫への愛情溢れるオタク度の高い作品ですが、面白かったです。★★★★2022/08/27

Shun

37
昆虫学者がフィールドワークで何を見て、そして稀少種を発見するまでに至る道のりを面白可笑しく語る昆虫記エッセイ。某バッタの人ではないけれど、昆虫愛に人生を捧げた研究者の頭の中にはどんな世界が広がっているのか、息遣いまで感じられる臨場感で未知の光景を見せてくれます。本書では聞いたことも見たこともないマイナーな虫が主役と言っても良いだろう、十把一絡げにゴミムシと呼ばれる虫たちにも興味深い種が多く存在し、確かに見過ごすには勿体ない珍しい個体がいる。時折見られる著者の奇行も愛ゆえと理解でき親しみが持てる内容でした。2022/09/09

とんこ

29
昆虫に関する面白い話はもちろん、昆虫「学者」の生態や、カラスやリスも出てくる。中でも印象深かったのは蔑称の王様メクラチビゴミムシ。洞窟や地下水脈の空隙に住み、遠くには移動できない。そのせいで場所毎に独自の種に変化した。この虫を調べると過去の日本の地形や水脈のつながりが推測できる、というお話。この虫の写真も載ってるけど、ほんと当たり前だけどただの地味な虫…。その地味な虫を捕まえるために昆虫学者は洞窟の中で石を一個づつひっくり返して…など、軽妙な語り口ながら満足の一冊でした。2023/07/05

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