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内容説明
ブラックホールとは、重力がきわめて強く光すら脱出できない天体だ。原理は18世紀には考え出されたが、長く存在証明は困難だった。本書は前半で、存在が確認されるまでの歴史をたどりながら基礎をわかりやすく解説。後半では、最先端の物理学からブラックホールの内側に迫る。「別の宇宙」と、そこへの抜け道である「ワームホール」、さらには熱力学との関係など、さまざまな謎を解き明かす。面白く不思議な、最新の宇宙論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マグカップ
24
少年ジャンプ+で『タテの国』を読み、宇宙について興味を持ったので、この熱が冷めないうちにと本書を手に取った。「事象の地平面」や「ワームホール」など、『タテの国』とリンクする話がチラホラあり、嬉しかった!だけどやっぱり、ちょっと難しい…。もっと勉強します(。-∀-)2022/05/05
かごむし
14
ブラックホールと言えば、光すら飲み込んでしまう不気味で未知の天体のイメージしかなかったが、こんなところまでわかっているのかと驚きながら読んだ。当時の天才たちが一般相対性理論から導き出した結論は、そのアインシュタインにブラックホールなんてありえないと否定されたりと、当時の学者の議論の応酬も面白かった。ブラックホールという特異な天体から予想される宇宙の現象について、その概念すらイメージができなくて、何言っているんだろうという感じだったが、人類がわかっていること、わからないこと、どちらも刺激に満ちた読書だった。2022/08/21
HaruNuevo
7
奥深いねぇ、ブラックホール ありがちな宇宙論の歴史を通じた解説にとどまることなく、定番の入門書よりも一歩踏み込んで、最新の研究、仮説まで掲載 文系にはちょっとストレッチして読む必要があったけど、これは好著でした いやしかし、ブラックホールには質量はあるけど内部に物質がない、という基本的なことが、やはりイメージ出来ないねえ2022/04/30
Akiro OUED
6
ブラックホールの臨海半径の内部では、空間自体が光速で内部に滑り込んでいる。よって、光は空間に張り付いたままになっている。じゃ、ブラックホール同士の衝突はどうやったら起きるのだろうか。ブラックホールは、量子論も相対性理論も究極理論の近似理論に過ぎないのだ、と語りかけている。2022/03/31
ノースフライト
6
中公新書の理系本。ブラックホールに関する初期からの研究の歴史を追ったような内容。なので、初心者にもとっつき安いのでは、と思った。ワームホールに関しては新書でここまで頁をさいて書いてあるのは他にない特徴だった。とても面白い良書だった。2022/03/06