内容説明
完全書き下ろしの処女作。
1982年生まれの著者は、祖父の兵籍簿を読んだことを発端として、太平洋戦争の「埋もれた記録」に着目する。横浜支局への配属を機に、横浜で開かれた国内唯一のBC級戦犯裁判(横浜裁判)の調査を開始。日本側資料の「黒塗り」に悪戦苦闘しながらも、米軍公開の裁判記録や巣鴨プリズン文書を収集、2年以上かけて解読・取材に取り組む。戦争犯罪で死刑となった20~30代の元日本兵。彼らはなぜ処刑されたのか。「埋もれた資料」が示すのは、今につながる「組織の冷酷」と「上下関係の不条理」だった。
【著者】
野見山 剛
1982年、福岡県北九州市に生まれる。筑波大学国際総合学類卒業後、共同通信社入社。立川分室、静岡支局、宮崎支局、福岡支社編集部を経て2013年から政治部へ。2019年から横浜支局配属となり、「BC級戦犯裁判」(横浜裁判)の取材を開始する。2021年、昭和史の謎の一つだったA級戦犯の遺骨の行方をスクープ。「A級戦犯 太平洋に散骨 米軍将校『私がまいた』」として記事が配信された。
目次
序 章 消えゆく記憶、消えない記録
第一章 捕虜虐待事件の真相と過酷な運命
第二章 陸軍刑務所の米兵焼死と五人の被告
第三章 ニューギニアの米兵斬首と悲劇の連鎖
第四章 昭和史の謎、戦犯の遺骨の行方
第五章 現代につながる「個人の滅却」と「機械視」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マル
4
横浜で開かれたBC級戦犯の裁判300件くらいのうち3件を取り上げて割と詳しく書いてある。アメリカの国立公文書館に戦犯裁判の膨大な資料が保管されているらしい。日本の国立国会図書館は何十年もかけてそれをコピーして持ち帰り公開しているらしい。長崎や渋谷、ニューギニアで捕虜を虐待、処刑した事件。指示した上官がいなくなって中間管理職がババを引かされたとか、人違いとかの冤罪などの論調のところもあるが、そこだけを強調してるわけではなく全体として裁判の質をそれなりに評価している。死刑の執行や遺体の処分も詳しく調べてある。2024/09/28
takao
1
ふむ2025/08/04
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