内容説明
真実の人生を生きるために出家し、思索し、ついに悟りを得たブッダ。孤独や弟子の反逆にも耐え、本来の生き方を説き続けたブッダ。仏教学の泰斗が、豊かな学殖のすべてと暖い心をこめて、この「偉大なる人」の生のドラマを描く。パーリ原典に依拠し、後世の虚構を排して把えた人間ブッダの真実を描く画期的な評伝!
感想・レビュー
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空猫
15
僧侶であり仏教学者でもある著者による「人間」ブッダ・ゴータマの評伝。原始仏教典に忠実に,インド古代史の知見を加えながら,神の如く祀られた後代の虚飾の下にある,求道者・伝道者としての姿を描き出す。彼は産褥で母と死別した子,理解する友のない孤独な青年,中傷を浴びる壮年,弟子に裏切られた老人であり,病に苦しむ普通の人間だった。そのただの人間が語ったことが「仏説」であり,今なお悩める人の灯火となる思想なのだ。ブッダは救済神ではなくそのような存在も説かない。自らが自らに拠り,法に則って立てと友に語らっていたのだ。2018/05/04
オガタケンイチ
0
★★★★★★★★★★2018/07/22