内容説明
旧東側の女性は西側の女性に比べセックスの満足度が高かった!? 世界的な潮流となっている新たな社会主義の模索で、女性はより幸福に生きられる。時代の閉塞感を打破するパワフルな一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
103
規制のない資本主義は女性の立場を危うくする。若い世代が社会主義を支持する傾向が高いのは、行き過ぎた資本主義が一部の男性の巨万の富と女性の貧困に行き着くことを知ってしまったからであろう。著者は1989年ベルリンの壁崩壊後、旧社会主義国が解放され資本主義に移行した女性たちのフィールドワークから国家社会主義を研究する大学教授。資本主義は、実力主義と適者生存の理念に基づく競争モデルを用いて富を分配し、社会主義は平等主義の立場をとる。社会主義国は女性の労働参加を積極的に受け入れてきた。女性におすすめしたい本です。2022/10/15
katoyann
25
新自由主義的な資本主義経済の肥大化がジェンダーの不平等を拡大させるだけでなく、性的快楽の価値をも貶めていると批判したフェミニズムの研究エッセイ。いまアメリカではミレニアル世代を中心に社会主義ブームが席巻しており、先の大統領選のバーニー・サンダース旋風はその一例である。結局、資本主義経済下では性愛が商品のような交換価値を持ってしまうという意見であり、新たな社会主義を模索すればジェンダー平等も達成できるという。例えば、新自由主義は保育など福祉予算の大幅削減を狙うが、社会主義はその逆。ちょっと難解。2022/12/07
おでんのたまご
13
タイトルを見た瞬間、「やっぱりな」と思った。資本主義社会では女性は男性よりも賃金を得にくい→男女間の対等な関係を築きにくい→男性の快楽が中心のセックスをしてしまう、という構造になってしまう。女性も働きやすかった社会主義国では女にとっても気持ちいい対等なセックスが出来ていたと、データで示してくれた。「個人的なことは政治的なこと」という言葉を噛み締める。2022/09/19
ぽ
10
社会主義推進本で思ってたんとちがう。脳内で主語に全部「東ヨーロッパは」を付け足して読まないと間違ったことになる。もし資本主義の世界で強い国に生まれていた人なら、この本とは全く話の次元が異なる。資本主義というのは、逆に言えば金さえ稼いでれば好き勝手やれる側面もあるので、悪いことばかりではない。逆に東欧みたいに美味しいとこをもともと西欧に持って行かれてて、残った数少ない牌を男がぶん取ってる国なら、まだ社会主義の方がマシ、という前提で読まないといけませんね。2024/12/01
ささやか@ケチャップマン
10
表紙とタイトルから抱く印象よりよっぽど真面目。資本主義によって女性の地位が低下していく欠陥を指摘しつつ、社会主義においてはそれが和らいでいた点を明らかにし、社会主義の効能を一部再評価する試み。興味深かった。これらの分野を専門的に研究する著者が一般向けに書いた本らしく、確かにもっと深堀りして書いてほしいなと思う部分もあったような印象も含めて、良著。2023/06/01
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