内容説明
進化論を生んだのはダーウィンではなかった!? 自然選択による進化の理論は、ダーウィンが何もないところから生み出したものではない。アリストテレス、荘子、ダ・ヴィンチ、ウォレス――古代ギリシャ時代からさまざまな形で存在していた「進化」概念の系譜をたどり【失われた鎖/ルビ:ミッシング・リンク】をつなぎ直す、進化論の進化史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
57
進化論はダーウィンに始まるのではない。副題にある通り、アリストテレスからDNAまで。結局、人類は「宗教」という救いを求めるために足枷をかけられて、真実から遠のいたのではないか。特に、自然崇拝型の宗教や哲学型の宗教は許容範囲が広いと思うが、一神教型は他を排除することが自己目的化しているように思う。その中で、進化論を発展させた人々は素晴らしいと思う。読み進むにつれ、宗教との対立を如何に解決するか、研究費用を如何に捻出するかが話題となり、だんだん重くなってくるが、、、面白い!!2022/10/15
Isamash
27
ジャーナリストのジョン・グリビンとメアリー・グリビン2020年著作訳本。ダーウインと同時代に同様の進化論を独立して考えたウオレスの研究歴に関し詳しい記述が有る。交流もあった様。発見栄誉を独り占めされた訳だがウオレスはダーウイン死後ダーウイズム擁護者となったらしい。最後のネオ・ラマキズムの章は大変に興味深かった。戦時オランダの飢餓による低体重が孫の代まで引き継がれた。つまり獲得形質が遺伝しそれは低分子RNAによってだという。調べてみると線虫の学習行動も獲得遺伝しエクソーム内のRNAの関与が示唆されている様だ2022/09/15
塩崎ツトム
15
ダーウィン以来からダーウィン以後まで、「種の起源」に至るまでの道程を俯瞰。ギリシャ哲学やスコラ哲学も、当時の水準としては結構いい線に到達していたらしい。2025/04/28
乱読家 護る会支持!
4
人類史において、種は神によって創造されたと信じられていた期間の方が圧倒的に長い。 進化論は、現代人からすれば「当たり前」のことなのだが、あまりにも長い生物の歴史の中で、我々人間たちが種について認識できる期間はほんの一瞬に過ぎない。 人は「自分だけが特別な存在」と信じたい生き物である。そのことが、「ヒトは神が自分に似せて創った」「ヒトの先祖は神だった」という宗教観を持つに至った。 しかし、進化論はヒトも昆虫も同じ進化史に登場した種の一つに過ぎないことを言い表している2022/11/07
Book shelf
2
生物は世代を超えて変化するというのが「進化」の意味だが、この真意にたどり着くまでに紆余曲折があった。そもそも生物が変化するということが広く受け入れられたのは最近の話である。だからと言って古い考え方を無下に扱うことはできない。古い考え方を土台に新しい気づきが積み重なって今に至るからだ。そして生物学以外の分野の発展も絡まり合って今の遺伝学ができあがる。この進化論の発達史をとても分かりやすく面白くまとめた内容になっている。2023/11/09
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