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内容説明
現代のようにグローバル化が進み、国境を越える人の移動が増える中、個人の国籍やアイデンティティはどんどん複雑化している。外国に移住する人、移動を頻繁にする人、国際結婚する人が増え、複雑化する国籍の問題はすっかり身近な現象になっている。(第1章より)自ら「無国籍者」として人生の大半を過ごしてきた著者が、無国籍や複数国籍の当事者にインタビュー。「国とは何か」「国籍とは何か」を根本から考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
20
日本人は何かを考える時、無国籍、複数国籍は避けてとおれない問題と思い手に取りました。この本の良い点は、豊富な実例。家族の歴史から掘り起こして丁寧に紐解いています。ただテクニカルにメリデメを考えると、無国籍・複数国籍は平時では深刻でない感じがします(ただし、日本の行政対応には憤りを感じる所がありましたが)。一方東日本大震災、コロナ禍のような大危機時とロシア・ウクライナ紛争のようなアイデンティティを脅かされる場面が、問題の本質を浮き出させます。結局地球市民と国民国家概念の対立軸ををどう考えるに収斂していきます2022/09/11
coolflat
15
14頁。無国籍者は、国籍を持たず、いずれの国とも法的なつながりを持っていない。そのためどの国にも国民と認められておらず、また国民としての権利と義務を有していない。身分証明書上に「◯◯国籍」と記されていても、実際にはその国の国民としての権利を享受できない事実上の無国籍の人もいる。合法的な居住権を持っている無国籍者もいれば、どこにも登録されず、居住権すらない無国籍者もいる。居住権がない場合、まるで透明人間のように扱われ、存在すら認めてもらえないということが起こっている。2023/07/20
リットン
10
日本国籍があることが当たり前な自分はまったく知らない世界だったな。。生まれたときから様々な事情で、国と国の狭間で籍を認められていない人がいて、そうした人には大多数の日本人が当たり前に受けているケアが適用されないというのは筆者の憤りももっともだと思った。難しいなぁ。。無国籍の事情はケースバイケースのようだし、すべてをカバーしつつ、抜け道を使った不法入国は防ぐ制度なんて可能なののか。。国という仕組みは、ウチとソトを区別する排他性が前提にあるグローバルと矛盾した仕組みなのかもなぁ。2023/03/01
ゆるひと
6
無国籍や多重国籍者にも単一国籍者と同等の権利を!とは言うけど参政権はどうするの? 著者の祖国台湾なんかではそこら辺を解消しちゃうと国自体が消し飛んだりしかねないんだけど。それに無国籍に比べて多重国籍者の問題を一緒くたにしていいのかね。国籍一つに選べないなんてエラく贅沢な悩みとしか思えないのだが。2022/07/08
田中峰和
5
著者自身、日中国交正常化によって台湾国籍だったので無国籍となった経験がある。芥川賞作家の楊逸とは従妹にあたる。韓国や北朝鮮、台湾などの在日の人々は下手をすると無国籍になってしまう。前半ではアジアの無国籍で苦労した人々のケースが紹介される。アジア以外ではコソボ出身の無国籍者が悲惨。戦禍を逃れ、来日したらいきなり警察に逮捕される。密輸団に利用され麻薬の運び屋として拘留され7年の刑務所暮らし、出所後も拘束は解かれず、著者に助けを求める。心を病んだ彼は自殺未遂。医療費百万円まで著者に降りかかる。仏のような人だ。2023/05/22
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