洋裁文化と日本のファッション

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洋裁文化と日本のファッション

  • 著者名:井上雅人
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 青弓社(2022/06発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787234179

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内容説明

NHK連続テレビ小説『カーネーション』『とと姉ちゃん』『べっぴんさん』で注目を集めたように、戦後日本の洋裁文化に対する興味と関心がますます深まっている。

洋裁文化は、女性たちが自分の着る洋服を自分たちの手で作る技術を中心とした文化だったが、単にその実践だけにとどまらない、教育やマスメディア、さらに都市環境をも含み込んだ独特な社会構造を構築した。1940年代後半から60年代半ばまでの間に一気に形成され、そして消滅した洋裁文化は、戦後日本のファッション文化の基盤を作り上げ、「消費者」の形成にきわめて大きな役割を果たした。

一般的な戦後史や文化史だけではなく、ファッション史や大衆史からもこぼれ落ちる洋裁文化の実態を、デザイナー、ミシン、洋裁学校、スタイルブック、洋裁店、ファッションショーなどの事例から立体的に描き出す。そして戦後の洋裁文化を、「民主化の実践」「消費社会の促進」という視点から再評価する。

目次

はじめに

序章 身体の平等化と民主化の実践
 1 デザイナーの時代
 2 洋裁ブームの時代
 3 貧困とアメリカ化
 4 身体の平等化
 5 民主化の実践
 6 洋裁文化の歴史的位置付け
 7 構造化する構造として構造化された構造

第1章 デザイナー――時代の主役になった人々
 1 デザイナーの登場
 2 元華族とパンパン・ガール
 3 『花の素顔』とデザイナーのイメージ
 4 村上信彦のデザイナー批判
 5 デザイナーの実像
 6 津村節子の洋裁経験

第2章 洋裁学校とミシン――作る=着る人の身体と規律訓練
 1 洋裁学校と服装革命
 2 洋裁学校の興り
 3 シンガーミシン
 4 ミシンと洋服の普及
 5 洋裁学校ブーム
 6 学習集団と教養機械

第3章 ファッション誌――情報としてのファッションとマスメディア
 1 ファッション誌とは何かという問い
 2 ファッション誌の始まり
 3 スタイルブックと分類する視線
 4 スタイル画家
 5 「若い女性」と既製服のメディア
 6 スタイルブックの終わり

第4章 洋裁店とファッションショー――趣味によって共有される空間
 1 洋裁店
 2 ファッションショー
 3 ファッションモデル

第5章 洋裁文化の消滅――構造はどのようにして次の構造へと移り変わったか
 1 既製服会社
 2 一九八〇年代の神話
 3 一九七〇年代の断層
 4 プレタポルテの土壌
 5 瓦解する洋裁文化

終章 コム・デ・ギャルソン論争とアンアン革命
 1 「インテリする」
 2 世界史の中心の構造的変化とファッション
 3 ぶったくり商品
 4 消費社会の左翼性
 5 衣服の芸術性

初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

20
戦後の女性の文化、とりわけ当たり前のように存在するからこそあまり語られてこなかった家庭分野に関するものに興味があって手に取りました。洋裁、という文化の広がりと成り立ちの歴史が丁寧に語られ、専門的な部分も多かったですが面白かったです。2023/07/19

読み人

4
<図書館本>私の母は夏以外は和服だったなー、などと昔のことを思い返しながら感慨に耽りつつ読みました。表紙のイラストが長沢セツで、本分にも結構な量で長沢セツに触れているので嬉しかった。長沢セツ、天才よね。2017/07/27

Yoko Kakutani 角谷洋子/K

2
膨大な哲学書、映画、小説など引用しながら、多角的に日本の戦後の洋裁文化を語っている。 終盤で吉本隆明、埴谷雄高の間で行われたコム・デ・ギャルソン論争に触れているが、その章がすこぶる面白い。吉本の「私は「コム・デ・ギャルソン」の「東京コレクション・85」もまた、芸術性において、『死霊』七章に勝るとも劣らないものだと確信しております」という言葉が頼もしい。2021/02/02

paxomnibus

2
型紙をおこし布を裁ち組み立て縫い上げて服を作る「洋裁」という技能、外では収入源となり内では家計の節約にと女性の生活向上に大変役立っていた時代が日本にはあった。それを支えていたのが数多の洋裁学校であり、そこでは技能のみならず着こなす技術やマナーなど教養も身につけられたそうだ。その土壌があってこそ、終戦後に洋服があっという間に普及したのだった。「洋裁文化」が日本女性に及ぼした良い影響は計り知れない。服を見る目が養われてたので内外のファッションにも鋭敏になれた。「洋裁」の活路は今後はコスプレに見いだせるかも…。2019/02/14

almondeyed

1
カヴァーに長沢節のスタイル画が使われているだけあって、長沢節の、日本のファッション・文化に与えた業績の大きさがキチンと記述されているのにビックリ。この本は日本の洋裁文化の独自性を主張するために書かれた本なのかと思っていたので。そういえば、今はなきセツ・モードセミナーには昔、洋服作りを学ぶファッション科も併設されていたのだ。わたしの在学中にはあったのだから、受講しておけば良かったなと、今更ながら反省。2017/08/31

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