内容説明
「これぞアガンベン最良の一冊」というべき主著ならざる名著。人間と動物が交錯する未決定な例外状態の閾を縦横無尽に描き出す、生政治の超克と人類学機械の停止へ向けた壮大な系譜学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
46
アウシュヴィッツについて書いている著者の言葉からハイデガーが出てくると、余計な意味がついて回るが、ハイデガーの人間主義的な考え方は、世界内存在であり現存在を考えることが人間を考えることであった。これに対してユクスキュルの環世界、コジェーヴの動物化などを端緒にして、人間と動物のあいだに開かれているもの、動物の生を宙吊りにして生け捕りにすることによって世界が人間に対して新たな可能性を開かせる。2025/07/04
ココロココ
23
やはり難解。 蜜に夢中になっているミツバチのお腹を切っても、お腹を切られたことに気づかないというのが怖い。 人のように痛みを感じないのか? もう一回読まないと理解できないが、読む時間がない。2017/02/13
しゅん
17
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』はアガンベンの理論を日本人の日常に当てはめて展開した本だったんだなぁ。人間の深い倦怠感とどう付き合っていくかという問いをハイデガーから受け継いでいる点やユクスキュルのダニの環世界の話が出てくるところなんて正に。『言葉と死』を読む限り人間の動物化は歓迎されないものとして書かれてた印象だったけど、本書では「存在する」ことを意識しない動物になることが肯定的に描かれている感じがして、若干混乱している。2017/09/05
フリウリ
16
健常が異常を介して確定できるように、人間は動物を介して人間性を確定してきた。ハイデガーは動物を「存在外に存在せしめられたもの」と考え、動物の生存の特徴を「放心」とした。一方、人間もまた「無為」という様態のうちに生存しうる(例:恋人たちの共同体)。放心と無為、これらはそれぞれの中心で宙吊りにされた「空虚」である。これを手がかりに、動物を(人間との関係性で)新たに捉えられる可能性がある、というようなことを言っているのであろう。一度読んだくらいでは美術史的要素にまで目が届かないので、(デリダとともに)要再読。82025/08/20
Z
12
名著名著名著!!!!普通に面白い。冒頭、ヘーゲル講義後、世界対戦突入、ソビエト旅行、アメリカ旅行、日本を旅行するたびに思想をコロコロ変えるコジェーブが書かれ『ヘーゲル読解入門』真面目に読む必要ないじゃないと爆笑。その後メインとなるのは動物/人間を分割するハイデガ-の思考を丹念に追うこと。137ページにそれまでの要約がご丁寧にも書かれるという神対応、ヘーゲル、ハイデガーを芸術、詩、哲学が共同体の運命なりを呈示する20世紀で終わったパラダイムとかなり説得力をもってバッサリ切りつけたのちの、ベンヤミンをもちだし2017/01/31
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